40代の転職

資格の取得で40代の転職を有利に進めよう

転職は年齢を重ねるにつれて難しくなるのが現実です。

特に未経験で40代となると、採用の可能性は低くなります。ですが40代の転職でも、資格を取得することで転職において大きなアピールポイントとなり、転職活動を有利に進めることができます。

今回は40代の転職で資格を取得するべき人、おすすめの資格などを紹介します。

40代での転職事情

40代の転職事情について確認してみましょう。一般的に40代に差し掛かってからの転職は、若い世代での転職と比較して厳しいと言われます。

40代の転職者は少ない

まずは各年代の転職者の数を見ていきます。厚生労働省発表の「令和2年雇用動向調査結果の概要」には、性、年齢階級別の入職と離職率が載っています。この調査によると、20代後半では入職率15.8%、離職率16.4%となります。

この数字は年齢が上がるにつれて低下していき30代後半では8.2%と9.4%、40代前半は6.7%と6.5%、40代後半では5.4%と6.6%です。この結果からも40代では若年層と比べて転職者の数が少なくなっていることがわかります。

参照:厚生労働省 令和2年雇用動向調査結果の概要 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/index.html

年収やポジションが下がる可能性

次に40代での転職に伴う年収の変動はどうなっているでしょうか。先ほど示した厚生労働省の雇用動向調査結果(2020年)の転職入職者の賃金変動状況別割合では、「増加」した40代は40%未満に留まっています。

「減少」した人の割合は30%未満で他の年齢と比べて多くはないものの、1割以上の減少は20%以上となっており減少幅が多い傾向があります。

このように40代での転職は収入の減少がリスクとして付きまとうのが事実です。40代になって生活の心配をするのは避けたいと考える人がほとんどではないでしょうか。このように40代での転職は決して楽観視できる状況とは言えません。

40代を対象とした求人は制限が多い

40代を対象にした求人が少ないことも転職が難しくなっている理由の1つです。募集の条件に「40歳未満」など、年齢制限が設けられているものが多いです。

さらに40代の転職者にはスキルや経験が求められるケースが多いです。40代は20年程度の社会人経験を持ち、仕事面でも熟練した能力を持っています。そのため雇う企業側も40代の転職者にはスキルや経験を求めている場合が多く、即戦力として期待しています。

スキルや経験不足、資格なしは40代の転職では弱点と言えるのです。

資格を取ることで40代の転職を有利に

40代での転職は楽ではありません。しかし、前述のようにスキルや経験をアピールできれば転職活動を有利に運ぶことができるとも言えます。その方法の1つとして、資格の取得が挙げられます。

40代で資格を取得した方が良い人とは?

資格を取得していると転職に有利とはいえ、必ずしも資格が転職に役に立つとは限りません。転職するにあたり、どのような人が資格を取得するとよいのでしょうか。ここでは転職時に資格を取得した方が良い人の特徴を紹介します。

未経験の業種・職種に転職する人

まず未経験の業種・職種に転職を希望している人は、資格の取得をおすすめします。前述の通り、各企業は40代の転職者には即戦力を求めています。20代の若い世代とは違い、一から育てることを考えて中途採用するケースはほとんどありません。しかし未経験ということは、転職活動の際にキャリアをアピール材料にすることはできません。

そこで業務としての経験はなくても、関連する資格を取得することで転職をしやすくすることができます。資格取得によりキャリアがなくても知識を得ることができ、新しい仕事の内容を理解しやすくなり適応しやすくなります。

また転職活動においても、資格取得により採用側に仕事への真剣度を示すこともできます。未経験職への就職を考えている人は、資格取得で転職活動を有利に進めましょう。

管理職経験がない人

管理職経験がない人も資格の取得をするとよいでしょう。転職活動を成功させるためには、当然アピールポイントを持っていることが重要となります。40代では実務を行うだけではなく、「マネージャー」としての役割も求められる年齢となります。

そのため、企業側が40代の転職者に求める能力の1つにはマネジメントスキルが挙げられます。管理職経験がない40代は転職活動で苦しむことがあります。資格を取得して自身のアピールポイントを作りましょう。

キャリアに合わせて資格を取得することで、その仕事のエキスパートとして自らの価値を示すことができます。

収入アップを目指す人

収入面の問題で転職を検討する人も多いでしょう。今より給料が高い仕事も求めて転職する人にも、資格の取得をおすすめします。厚生労働省が発表している「令和2年就労条件総合調査」の中に、賃金制度の調査があります。

諸手当の項目を見ていくと、技能手当、技術(資格)手当を出している企業が50.8%にのぼり、半数以上の企業が資格所持者に手当を出していることがわかります。少しでも収入を上げたい人は、資格取得を検討してみましょう。

参照:厚生労働省 令和2年就労条件総合調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/20/

40代での資格取得の際の注意点

40代の転職では、資格取得が有利になります。しかし、資格ならなんでも取ろうとすればよいというわけではありません。ここでは資格取得の注意点を説明します。

希望業種・職種に合った資格を取得する

取得する資格は自身が転職時に希望する業種や職種にマッチしたものにするべきです。いくら資格を取得しても、使わないものではあまり転職時に効果がありません。そのため、まずは自分の希望業種・職種に合致した資格を選びましょう。転職後に業務で役に立つ資格を取得していると、採用の可能性は上がることでしょう。

また、資格は難度が高いものを取得すればよいとは限りません。前述のように、資格を取得してもそれが業務で活かされるものでないと意味がありません。資格の取得は目的ではなく、業務を行うための手段の1つです。

そのため、難易度が高い資格を多く持っていれば業務に役立ち、必ずしも転職でも有利になるとはならないのです。さらに資格の取得には時間とお金がかかります。難易度が高くなればなおさらです。難易度が高い資格をおすすめしないというわけではありませんが、実用性が高い資格かを考えて取得を目指しましょう。

転職活動では職務経験もアピールする

資格はその業務における知識やスキルを持っていることの証明になります。一方で、転職時には経験も重要な評価ポイントです。

特に40代の転職では即戦力を求められるので、資格を持っていることだけではなく、実務経験がある場合はそこもアピールしましょう。同業種や同職種への転職の場合は、資格に加えて即戦力性をアピールすることが有効です。

40代で転職する人におすすめの資格

実際に転職で活かせる資格はどのようなものになるのでしょうか。もちろん業種・職種によって有利となる資格は異なりますが、ここでは代表的な資格を紹介します。

行政書士

行政書士は法律関係の国家資格では入門的な資格とも言え、法律の幅広い知識が身に付く資格です。主な業務行政への書類作成となります。

士業事務所だけではなく、一般企業でも行政書士は活躍します。総務部などで社内の法律関係の業務を行う部署で仕事をした人には適した資格です。

40代でも行政書士の資格を持っていることで、さまざまな企業への転職で有利に働きます。

行政書士試験の受験資格は設けられておらず、誰でも受けることができます。合格率は10%程度と簡単な試験ではありませんが、法律関連の仕事をしたい人は取得しておきたい資格です。

FP技能検定

金融業界の転職で武器になるのがファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)です。税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など、お金に関する幅広い知識が身に付きます。

FP技能検定は3級・2級・1級と等級があるので、段階的に取得していくとスムーズに勉強できるのでおすすめです。しかし3級は日常的な知識にとどまり仕事ではなかなか活かすことはできません。そのため2級まで取得しておくと、転職時にアピールできます。

初学者はまず3級を取得して金融の知識を得た後、2級を取得して転職に役立てましょう。さらに1級まで取得しておくと、金融業界でキャリアアップをする際にも武器になります。

参照:日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/

介護職員初任者研修

介護業界は人手不足の傾向が強いため、求人は多くなっています。40代の転職は一般的には厳しい状況となっていますが、人手不足の介護業界は未経験業界への転職を考えている人にとってもねらい目となります。

未経験者はまず、介護の基礎知識・スキルがあることを証明できる入門資格となる「介護職員初任者研修」の取得を目指しましょう。1ヵ月~数ヵ月で取得できる資格のため、難易度的にもおすすめです。未経験でも転職が有利になる資格の1つです。

実際に介護業界に就職後、継続して働く場合はケアマネジャー(介護支援専門員)や国家資格となる介護福祉士など上位の資格を取得することもよいでしょう。介護業界にはほかにも資格があるので、キャリアアップのためにも取得を検討してみてください。

TOEIC

TOEICは日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する、世界共通のテストです。特殊な技能を証明する資格ではなく合否が出るものではありません。テストを受け、スコアで評価が出ます。

このTOEICのスコアを就職や昇進の要件にしている企業は多いです。実際に、英語を使用する部署での中途採用の「要件・参考としている」または「新たに要件・参考とする可能性がある」企業は約6割にのぼります。このように、TOEICのスコアは転職の際にアピールポイントになります。

具体的なスコアですが、中途採用時に企業が要件・参考とする平均は620点と言われています。特に英語を使う仕事を志望している人は、TOEICを受験するとよいでしょう。

さらに、昇進・昇格の「要件としている」「参考としている」「新たに要件・参考とする可能性がある」企業の比率は、約4割あります。転職時だけではなく、転職後もキャリアアップの助けとなります。

参照:TOEIC https://www.iibc-global.org/toeic.html

40代の転職は資格取得で有利に…志望職に合ったものを取得しよう

40代の転職活動では年齢がネックとなる反面、資格は大きなアピールポイントになります。

未経験の業界に就職する人は、まずその業界での入門的な資格を取得しましょう。資格を取得し知識を得ることで転職活動が有利になり、スムーズに業務をスタートできるようになります。さらに今後上位の資格を取得し、仕事の幅を広げていくことにもつながります。

これからキャリアアップの転職をしようとしている人も、自身の業界に関わる資格や上位資格を取得することで、自身の価値を高めることができます。転職したい仕事に関する資格と自身の能力などを考え、マッチした資格取得を目指しましょう。

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