まだまだ発展途上で、将来性抜群のIT業界は常に人で不足と言われています。
売り手市場で、日本国内の平均年収と比べると年収も高めということで、現在就転職業界では人気を集めています。
そんな状況もあり、今までまったくIT関連には関わってこなかった方が、思い切ってIT業界に転職したいと考え方が増えてきているようです。
しかし、工学系は理数系で難解というイメージを抱いている方も、未だに多いように思われます。
今までプログラミングなんて、まったくの未経験。
自分は文系だけど、プログラミングなんてできる?
そんな疑問に、未経験からプログラマーに転職したい方に、何が必要なのか紹介します!
プログラマーとSEはどう違う?
混同されがちなプログラマーとSEの違いとは
IT業界で人気なのは、やはりプログラマーとSE。しかし、この2つの職種はたびたび混同されがちで、どんな違いがあるのか分からないというIT初心者の方も多いことでしょう。
まずはこの2つの職種の違いについて見てみましょう。
と、その前にシステムはどのような工程で制作されているか説明する必要があります。システム制作は、基本的に以下のような工程となります。
- 要件定義 クライアントからの要望をヒアリングし、どのようなシステムが必要なのか打ち合わせを行う。
- 基本設計 クライアントからの要望に対して、どのようなシステムが必要なのか設計する。
- 詳細設計 基本設計で作った案を問題なく動かすにはどのようなシステムが必要なのか、より詳細なシステムを設計していく。
- プログラミング 1〜3で出来上がった仕様書を基に、実際にプログラミングする。
- テスト 出来上がったシステムが問題なく動作するか、テストする。
こちらの工程のうち、1〜3を上流工程、4〜5を下流工程とも呼びます。
SEの担当する業務が上流工程で、プログラマーが担当する業務が下流工程となります。
4のテストはSEとプログラマーで行うことも多いです。
上流・下流と分けられているだけあり、SEの方が年収が高い傾向にあります。
プログラミングを熟知した上で、クライアント対応や社内チームへの情報共有など、業務範囲がプログラマーよりも広範囲になるためです。
プログラマーを経験した方が、キャリアアップのためにSEに転職するという方もいます。企業規模によっては、SEやプログラマーがそれぞれの分野も兼任することもあります。
プログラミング言語を駆使!プログラマーの仕事内容
上記で書いたように、プログラマーの仕事は基本的にSEから渡される仕様書に沿って、プログラミング言語を駆使してコーディングを行うことになります。
企業によってSEがいるところであれば、業務内容はほとんどプログラミングを行うことに特化する場合が多いです。
しかし、SEがいない企業などでは、クライアント対応なども業務内に入っていることもあるので、どのように働きたいかによって転職先を選ぶ際に注意が必要です。
一言でプログラミング言語といっても、Java、PHP、C言語、Ruby、HTML…と様々な形式があります。
仕様書にあるシステムを、データの重さをできるだけ軽くして、快適に動作させるにはどの言語を使用すればいいか、どのようにコーディングすればいいのかといった事もプログラマーの腕にかかっています。
未経験でもプログラマーに転職はできる?
未経験でもプログラミングの基礎は抑えておくべき
プログラマーの求人には、『未経験OK』と書いてあるものも多いです。なぜなら、目覚ましい発展を遂げるIT業界では、常に人材不足が起こっているから。
『未経験OK』と謳っているだけに、研修制度を完備しているところも多くあります。
とはいえ、未経験OK案件だからと甘く見ていては、やはり転職できるものもできないというのが現実です。
その仕事を希望するからには、それなりの決意と熱意を見せなければ話になりません。
実際、ちょっとプログラミングをかじった程度でプログラマーに転職したものの、研修でプログラミングを仕事にする難しさに挫折し、入社直後に辞めるという方が多く、人事担当者も『仕事への熱意』に対して警戒している方も多いようなのです。
プログラマーになりたい!という熱意を示すには、プログラミングを学ぶ姿勢を見せることが一番手っ取り早い方法になるので、最低限基礎は必ず抑えておくようにしましょう。
ポートフォリオはやる気アピールに最適
プログラミングを勉強したら、とにかく「システムを実際に作って動かしてみる」という事を目標にしてください。
システム構築を行えば、転職活動で使えるポートフォリオを作成することができます。
その際には、システムのインターフェイスだけではなく、コーディングもつけるようにしましょう。
最初は拙いものでも全然構いません。未経験者がいきなり高度なシステム構築などできるわけがないことは、人事担当者も理解しています。
しかし、拙かろうがどこか動作がまずかろうが、『作る』という事に前向きであることは絶対に評価してくれます。
40代OK!プログラマー35歳定年説はもう古いが、転職は早めに
IT業界では『プログラマー(SE)35歳定年説』などというものがあります。
これは昨今の『働き方改革』の風潮が出始める前に囁かれたもので、まだまだIT系の敷居が高く、働き手が少ないにも関わらず、システム運用やメンテナンスは世間が寝静まった深夜に実施される事が多かったことが原因にあります。
深夜に手作業でシステムメンテナンス。
スマホなどなく、一般家庭にPCもさほど普及していないため、動作不良時に今のように「すぐ検索!」という環境が整っていないため、専門家であるプログラマーにすぐクレームが付く。
その割に給料は低い。残業や休日出勤も多いのに、時間外手当もつかない…体力的にも精神力的にも、35歳が限界という皮肉のようなものでした。
現在では働き方も見直されるようになってきて、50代・60代でも現役で働くプログラマーもいらっしゃいます。
プログラミングは知識と経験が物を言うので、年配の方の経験が評価されることも多いのです。
とはいえ、未経験で転職となると、当然知識と経験はないので話は変わります。
若い人ほど、覚えがよくばりばり働けるとIT業界でも考えられているため、スクール受講条件が30歳までと年齢制限を設けているところも多いです。
転職業界では、どこの業界でも未経験転職では若いほうが有利と言われますが、残念ながらプログラマーもその例に漏れません。
未経験でプログラマーに転職したい人に必要な3つの心得
『仕事』としての心構えをしっかり持つ
今までプログラマーとしての仕事経験はないけれど、趣味では経験あるという方が、「プログラミングが好き!」という理由で転職する事例は多くあります。
しかし、いざ入社してみると「自分が使ってたプログラミング言語と違う仕事しかない」「自分がやりたいことと違っていた」という理由から早期退職してしまう人もまた多いようなのです。
「好きだから仕事にする」というのは、とても理想的ではありますが、実際に仕事にしたら幻滅してしまうというのはどんな仕事でもあり得る話ではあります。
特にプログラマーは、使用するプログラミング言語が多種多様で、今でも新しい言語が生まれ進化し続けています。
今ある知識で自分の力を過信すると、あっという間に時流に置いていかれかねません。
また、例えば自分の得意なプログラミング言語がRubyだったとして、仕事でそればかりを使っていられるわけではなく、クライアントに求められるシステムを実現させるために、一番適した言語でプログラミングしなければならないことも多いです。
「やりたいこと」や「理想」ばかりを追っていては仕事になりません。仕事として割り切って、勉強を続け、作業できる覚悟を持たなければなりません。
転職活動を始める前に、実際にプログラミングを経験する
『未経験OK』の求人案件に『研修あり』と書いてあったからといって、入社後に勉強できるならいいか!と思うのは甘すぎます。
会社は仕事をしに行く場であって、勉強をする場ではありません。
プログラマーの仕事では、多くの専門用語が飛び交います。研修時にも、プログラミング言語の基礎すら知らずにいけば、ちんぷんかんぷんで早々に音を上げてしまうのは目に見えています。
研修の講師役である上司や先輩にも仕事はあるわけですから、園児のようにつきっきりで「教えてあげる」わけにもいかないのです。
新卒や第二新卒の社会慣れしていない『未経験』ならまだしも、20代後半にもなれば社会人としての心構えくらいできているだろうという目で見られるようになってきます。
そこで「やる気もないのになんで転職するの?」などと思われないよう、自主的に勉強はしておくようにしましょう。
プログラミングだけでなく、ビジネスマナーも身につける
プログラマーに、ただひたすらじっとPCとにらめっこするデスクワーク、というイメージを持っている方は多いと思います。しかし、実際にはコミュニケーション能力を必要とする仕事なのです。
プログラマーは決して一人だけで仕事をしているわけではありません。
仕様書を回してくるSEとの綿密な打ち合わせ、プロジェクトチームとの連携などが必ず必要になります。
報連相を怠ると、クライアントからの要望を実現するのは困難ですし、またミスにも繋がります。
場合によっては、プログラマーが直接クライアントとやり取りする可能性も無いとはいえないので、電話やメール、報告書や社内コミュニケーションなど、未経験の転職だからこそ、最低限のビジネスマナーは最大の武器にすることができるのです。
転職失敗回避!未経験でプログラマーに転職する方法
それでは、実際に未経験でもプログラマーに転職するには、どんな方法があるのか紹介しましょう。
独学→未経験OK求人に挑戦する
一見すると、一番一般的な転職方法に思えるかもしれません。しかし、まったくの初心者がこの方法で転職するには少々無謀といえるかもしれません。
これまで仕事としての経験はないけど、趣味でプログラミングの経験があるという方なら、基礎は既にできていると思うので、この方法でも問題ないかと思います。
趣味の範囲では仕事になるかは微妙なところなので、追加で仕事にできるレベルまでの応用も独学ですぐ感覚を掴めるようになると思います。
しかし、プログラミング言語ってなに?みたいなレベルの方が独学で勉強しようと思うと、多大な時間と労力が取られることになります。
- まずどの言語から勉強したら良いのか分からない
- 専門用語がちんぷんかんぷん
- だらだらと時間だけかかってしまって身につかない
- 難しすぎるという印象がついてしまって挫折する
プログラミング初心者に陥りがちな傾向です。「1年間でしっかりと身に付けて、実際にシステム構築までやる!」などの目標を自分で設定でき、地道に達成できるタイプでなければ、初心者で独学はおすすめしません。
転職支援付きのプログラミングスクールや通信講座を利用する
転職業界では、IT業界への転職は人気となっています。だからこそ、プログラマー向けのスクールや通信講座は今やかなり多くの種類があり、どこにするか迷ってしまうほど。
ほとんどが有料ではありますが、中には『GEEK JOB』の最短一か月コースといった、無料で受けられる講座もあります。
ただし、先にも言ったように受講条件が20代までといったところも多く、安ければいいとも限りません。
できるだけコストを低く転職したいと思う気持ちも分かりますが、独学は向かないかも…と思う方は、自分の条件に合ったスクールや講座を受講して、同時に転職支援をしてくれるようなスクールを探してみてはいかがでしょうか。
大手転職エージェントを利用する
未経験というハンデがあるからこそ、転職のプロにノウハウを教えてもらうというのも手です。
大手転職エージェントでは、プログラミングの講座を開催しているところもあります。
転職エージェントは基本的に利用が無料としているところがほとんどなので、講座や相談など様々な転職の悩みにプロが寄り添ってくれます。
また、IT業界が売り手市場であるため、「doda」 といったメジャーどころの転職エージェントサービスが、IT業界専門の求人サイトを運営しています。
IT業界を目指しているからこそ、転職エージェントの利用が強みになるという背景も整っていると言えるでしょう。
未経験でプログラマーを目指すなら、やる気と他のスキルを強みにする!
他の業界や職種では、「やる気を見せる」といっても何をすればいいのか…と悩んでしまうことも多いのですが、プログラマーは『プログラミング』というとても分かりやすく形として『やる気』を見せやすい職種です。
まずなポートフォリオを作成し、初心者だけどここまでやりました!という熱意を形にして見せていきましょう。
そして、中途採用だからこそ見についており、アピールできるのが『ビジネスマナー』です。
プログラマーを目指すタイプの中には、デスクワークだからコミュニケーションは関係ないと思い込んでしまっている人もいます。
そんな人との差をつけるためにも、プロジェクトチームの中で達成できた実績などをアピールしていくのも効果的だと思います。
未経験だからこそアピールできるものを、自信の棚卸しをして探してみましょう!