年齢から考える転職

50代の転職には厳しい現実が…50代の転職の実態と成功のカギは?

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20代、30代の若年層の転職は盛んに行われ、その数も多い一方で、50代では難しいという現状がある。

また、50代で転職した場合は収入の減少というリスクもまとわりつく。

では、50代での転職を成功させるためにはどのようなこと重要なのだろうか。

ここでは転職の実態と成功のカギ、有効な転職活動の方法について解説する。

50代~中高年転職の現実~

一般的に、年齢を重ねてからの転職は難しいとイメージが強く、実際の経験からもそのような実感を抱いている人は多いだろう。

では実際に50代の転職者数は、他の年齢階級と比較して少ないのか。

厚生労働省が公開している、「2020年(令和2年)雇用動向調査」から年齢層ごとの転職実態を確認してみよう。

他の年齢層より転職率は低い

「年齢階級別転職入職率」では50-54歳の男性が4.2%、女性が8.5%(一般7.2%、パート10.1%)、55‐59歳の男性が5.0%、女性が7.8%(一般5.3%、パート10.4%)となっている。一方で、20-24歳は男性12.7%、女性14.3%(一般13.0%、パート16.2%)

50代の転職入職率が低いことがわかる。特に男性は、年齢階級が高くなるにつれ転職入職率は下がっていき、50-54歳が最低の数字となっている。

このように、50代の転職率は他の年齢層と比較すると低いことがわかる。

積極的な理由で転職する50代は少ない

転職入職者が前職を辞めた理由を見てみると、50-54歳と55-59歳は、「会社都合」が最も多く、それぞれ18.6%、12.7%となっている(その他の理由を除く)。

これは若年層には見られない傾向で、44歳以下では「会社都合」の割合はいずれも10%を下回る。このように、解雇や退職勧奨などを受けたことによる転職が多く、50代の厳しい就労事情が垣間見える。

コロナ禍で転職市場はより厳しく…

2020年より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行した影響で、転職市場は厳しいものになっている。

「雇用動向調査」では、2020年の入職率が13.9%となり、2019年の16.7%から下落。2006年以降では最低の数字となった。

また入職超過率は-0.3%で、2011年以来離職者数が入職者数を上回った。

50代の転職が難しい理由

戦術の通り、50代の転職率は低く、決して簡単ではないことがわかる。

では、なぜ50代の転職は難しいのだろうか。次はその理由を説明する。

キャリアに応じたポスト・人件費がかかる

50代での転職者は、キャリアを積んできている人がほとんどだろう。

当然、社内でのポジションが上がっていき、それに応じて給与も上昇していくことが考えられる。50代を中途採用する企業は、年齢や経験に応じた給与を支払う必要がある。

30代以下の若年層を採用する場合と比べ、人件費の面で負担が大きくなることが、50代の転職を難しくしている要因のひとつと言えるだろう。

また、50代の求人はプロジェクトリーダーや管理職が多く、経験や即戦力が求められる。このようなポストはなかなか空きがなく、求人の数が決して多くない。

これも50代の転職が難しい要因のだ。

未経験可能な50代の求人は少ない

50代には経験やスキルが求められる求人が多い一方で、未経験可能なものは少ない。

未経験者を採用する企業は、定年が近い50代に対して育成・教育するよりも、20代・30代の若手の伸びしろに期待する。

実際に50代の求人が少なく、「40歳未満」などといった年齢制限が設けられているものが多いのが現実だ。

このように、50代の中途採用は会社にとってはリスクや支出が多くなる。

また、求められる経験やスキルが高くなること、求人の数が少ないことなどから、50代の転職事情は厳しいものとなっている。

50代で転職するリスク

50代の転職事情が厳しくなっているが、そのような状況で実際に転職した場合はどのようなリスクが考えられるだろうか。

収入が減少する可能性

「雇用動向調査」から、今度は「転職入職者の賃金変動状況」について確認する。

2020年の調査では、全転職入職者のうち前職の賃金に比べ「増加」した割合は34.9%、「減少」した割合は 35.9%、「変わらない」の割合は 28.4%。

全体ではわずかに減少した人の割合が多いが、これを年齢階級別で見てみると、50代の転職者の厳しい事情がうかがえる。

49歳以下では全年齢階級で増加した人の割合が上回っているが、50-54歳を境に減少の割合が多くなっている。

特に55-59歳では、減少の割合が増加と比べ26.3ポイントも多く、1割以上の減少が37.3%となっている。50代での転職には収入減少のリスクがあるのだ。

転職活動に時間がかかる

2つ目のリスクとして、転職活動に時間がかかる点が挙げられる。

人材採用・入社後活躍サービスの提供を行っているエン・ジャパン株式会社が運営する、人材紹介会社集合サイト「エン転職コンサルタント」上で2014年に転職コンサルタント130名を対象に行った「転職活動期間」についてアンケート調査を見てみよう。

「担当した求職者のうち、転職がきまるまでどのくらいの期間を要する方が多かったか?」という質問に対しては、「1ヶ月半以内」が17%、「3ヶ月以内」が58%、「6ヶ月以内」が22%、「7ヶ月以上」が3%。

4人に3人が3ヶ月以内に転職先を決めていると回答している。

しかし「求職者の年代ごとに、転職が決まるまでどのぐらいの期間を要する方が多かったか」の質問への回答を見ると、年齢が上がるにつて、転職活動に時間がかかるという実態が見えてくる。

「3ヶ月以内」の割合は、20代で90%以上、30代で80%以上、40代でも60%程度となっている。しかし、50代では30%程度にとどまる。

また、40代以下では10%以下だった「7ヶ月以上」の割合が、50代では23.2%まで上昇する。

同社の転職サイト「ミドルの転職」上で、35歳以上の転職経験のあるユーザー1308人を対象として2018年に行った転職期間に関するアンケートでも、転職者の年齢が上がるにつれ時間をかけているという結果が出た。

50代の転職には、その活動期間が長くなるリスクもついて回る。

50代で転職を成功させるためのカギは?

ここまで50代の厳しい転職事情について説明してきたが、それでも転職をする人も多いだろう。ここからは50代の人が転職を成功させるためのポイントをまとめる。

収入の減少を受け入れる

先ほど述べた通り、50代での転職者は収入の減少を経験している人の方が増加よりも多い。

もちろん転職理由が収入面の不満の場合は例外だが、それ以外の理由で転職を考えている人は収入の減少を受け入れる必要がある。

転職の理由は「拘束時間の長さ」、「希望の職種に就きたい」、「人間関係が苦痛」など人それぞれあるはずだ。

その場合は自身の希望をはっきりとさせ、収入にこだわり過ぎないことが成功のカギだ。

自身が許容できる収入額の減少許容範囲をあらかじめ決めた上で、転職活動をすることで転職先の選択肢も広がるはずだ。また、正社員雇用だけではなく、非正規雇用も視野に入れてもよいだろう。

転職活動が長期化することを覚悟

これも先述したが、50代の転職活動は時間がかかる傾向が強い。そのため、今の仕事を辞めてから転職活動を始める、転職先が決まる前に今の仕事を辞めることはリスクが高い。

可能であれば、今の仕事をつづけながら転職活動を進め、転職先の目途がついてから辞めることをおすすめする。

もし、転職先が決まる前に仕事を辞めてしまうと、無収入による不安が転職活動の足かせになる可能性がある。

その不安から転職先に妥協したことで、再び職場に不満を持つようになっては、何のために転職したのかわからなくなってしまう。

POINT

転職先がきまるまで時間がかかることは覚悟のうえで、しっかりと腰を据えて不安が少ない状態で転職活動に臨もう。

人手不足の業種・職種を狙う

50代の未経験可能な求人は決して多くないものの、人手が足りていない業種はその限りではない。厚生労働省の「雇用動向調査」から、入職者数の多い業種を見てみよう。

2020年で最も多かったは宿泊業・飲食サービス業1227.2千人だった。

しかし2019年と比較し444.6 千人減と最も減少幅が大きく、離職者数も1258.5千人と最多となっている。入職者数、離職者数とも卸売業・小売業が2番手、医療・福祉が3番手となっている。

これらの業種はコロナ禍の影響を受けやすかった業種で入職者数が減った一方で、入れ替わりが激しく求人の数自体は継続して多い業種と言えそうだ。

特に宿泊業、飲食サービス業は入職率・離職率の数字も高くなっている。

一方で、情報通信業が2019年から34.9千人増と最も入職者数の増加幅が大きかった。

50代女性は経験が活かせる仕事を探す

以前と比べると中高年の女性も転職しやすくなっている。世の中の働き方に関する考え方が変わり、スキルがあれば年齢問わず採用したいと考える企業が増えているからだ。

とはいえ、50代の転職は20代、30代に比べると簡単ではない。転職を成功させるには、今までの経験を活かし、すぐに会社に貢献できそうな仕事を選ぶと採用されやすい。

また、50代女性だからこそできる気配り、コミュニケーション能力を武器にできるような仕事もおすすめだ。

50代におすすめの転職方法

転職活動を成功させるためのカギを説明したが、実際にどのように転職活動を行っていけばよいのか。

ここからは具体的な転職方法や活用するべきサービスなどを説明する。自身の置かれている状況と照らし合わせて検討してほしい。

キャリアアップを目指すならヘッドハンティングを狙う

これまでの経験を活かし、キャリアアップやそれに伴う収入アップを目指しての転職を検討している場合は、ヘッドハンティングを狙おう。

ヘッドハンティングと聞くと、ライバル企業や関連企業から転職の打診を直接受ける、といったイメージがあるかもしれない。しかし、近年はハイキャリア層をターゲットとしたヘッドハンティング型の転職サイトがある。

ビズリーチ」 などはテレビCMでも目にする機会が多いのではないだろうか。

これらのヘッドハンティング型の転職サイトは、自身の経歴を登録することでそれを見た企業の人事担当から連絡が来る。

キャリアアップを狙っている人は、ヘッドハンティング型の転職サイトを使うことを考えてみてはどうだろうか。

転職エージェントを活用する

次に転職エージェントを活用するという手法がある。転職エージェントとは、経歴、転職先の希望条件などのヒアリングを行った上で、キャリアのアドバイスをしてくれるサービスだ。

転職サイトを使い個人で転職活動をするよりも、多くの求人に触れるチャンスが増える。非公開の求人も扱っているため、キャリアアップを狙う人にとっては有効な手段だ。

キャリアアップ以外でも、転職エージェントを活用するメリットは多い。

希望条件や経歴などからキャリア相談を行ってくれるだけでなく、多くの求人からそれぞれに合ったものを提案してくれる。

そのため、転職で違う職種に進もうと考えている人にも利点がある。

仕事を続けながら転職活動をすることを先ほど提案したが、それだと転職活動に割くことができる時間に制限があるだろう。

そのような人にとっても、採用企業側との橋渡しをはじめ転職活動にまつわるさまざまな手続き代行してくれる転職エージェントはおすすめだ。

それ以外にも、応募書類添削や面接対策なども行ってくれる。

転職活動に不安がある人も転職エージェントを使ってみよう。

資格を取得する

次に紹介する方法は、資格を取得することだ。50代の転職者には即戦力や経験が求められるケースが多い。

そのため、資格を取得していることはキャリアアップを狙う人にも、新たな業種に移る人にも、転職活動で有利に働く。

ではどのような資格を取ればよいのだろうか。希望の業種や職がある場合はそれに関連する資格を取ればよい。たとえば宿泊業・飲食サービス業は入れ替わりが激しく、多くの求人が見込まれる。

飲食業界でメジャーな資格が調理師免許だろう。調理師免許は専門学校に通う、もしくは飲食店で2年以上の実務経験を積むことで取得できる資格だ。

飲食業界で転職することを考えている人は持っていて損のない資格だろう。

ほかにも飲食業界では、管理栄養士やソムリエなどが挙げられる。

医療・福祉も入職者の多い業種だ。特に介護は人手不足に悩まされている業種のひとつに挙げられる。介護福祉士資格やケアマネージャーといった資格は取得しておくとよいだろう。

これらの資格を取得することは、転職先の選択肢を広げること条件アップにつながるはずだ。

ほかにも新たな業種に挑戦しようと考えている人、会社都合などでやむを得ず転職・求職する人も、多くの求人がある業種や希望の業種にかかわる資格を取ることで、転職活動を有利に進めてほしい。

ハローワークで求職する

ハローワーク(公共職業安定所)で求職するという方法もある。ハローワークは無償で職業紹介・雇用保険・雇用対策の支援を行っている。

担当者が直接対面で就職相談を行ってくれるため、自身の経歴やスキルに自信がない場合や、転職活動の進め方がわからない場合でも安心して利用できる。

転職エージェントのような手厚い転職支援は期待できないが、企業側との面接のセッティングなどを行ってくれる。また、さまざまな業種や地元の中小企業の求人もあり、希望条件に合ったものを紹介してくれる。

さらに失業者や求職者向けのセミナーなどが開催されており、ここでは履歴書や職務経歴書の書き方の講習、面接対策など転職活動に役立つセミナーとなっている。さらにハロートレーニングと呼ばれる公共職業訓練・求職者支援訓練も行っている。

離職者向けの公共職業訓練・求職者支援訓練は無料(テキスト代等除く)で受けることができ、介護系、事務系、情報系など各業種のカリキュラムが用意されている。

選択肢を広げ、自身の状況に応じた転職活動をしよう

50代の転職者数は、若年層と比較し少ない。また、収入の低下や転職活動期間の長さなど、厳しい状況が待ち受けているのも事実だ。

だが50代だからと言って転職できないわけではない。転職先の選択肢を広く持ち、時には根気強く転職活動をすることが成功につながる。

転職の理由は人それぞれだが、自身の状況に応じた有効な転職活動をすることで、より満足できる職を見つけてほしい。

参考厚生労働省雇用動向調査結果の概要

   転職活動期間」実態調査―「ミドルの転職」ユーザーアンケート―

   「転職活動期間」実態調ー「エン転職コンサルタント」コンサルタントアンケート集計結果ー

   ハローワーク

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