ライフイベントが多い女性の４０代は、人生の節目となるターニングポイントです。
これまで結婚や出産、育児などでキャリアを中断された方や、家庭と仕事の両立が難しく思うような仕事選びができなかった女性は多いのではないでしょうか。
しかし、女性の社会進出が進み、年齢を重ねても仕事をしてやりがいのある人生を歩みたいと考えている方もいるでしょう。
特に40代は、子供が成長して家庭も落ち着いてきた頃でもありライフプランを見直したり、キャリアプランを考え直してみたり…という時期。
これをきっかけに転職や新しい仕事へのチャレンジなど、40代になり転職を考えるケースも少なくありません。
このように、男女ともに平均寿命が延び人生100年時代といわれる今は、年齢を重ねても社会で働き続ける選択をする方が多いのです。
今回は、女性が40代から一生できる仕事に注目し、40代女性の仕事事情やおすすめの職種について紹介します。
40代から一生続けられる仕事を探している女性、おすすめの職種が知りたい女性は、ぜひ参考にしてください。
40代女性の仕事事情
これまで日本では終身雇用で年功序列、採用は男性が有利、という働き方が主流でした。
女性はというと、せっかく実力があるのにライフイベントによりキャリアを中断せざるを得ない、キャリア中断後の再構築はハードルが高いとされていました。
では、現在の仕事事情はどうなっているかみていきましょう。
働き方の変化
現在は働き方改革や少子高齢化による若年層の労働力低下により、男性でも女性でも、年齢が問題にならず、スキルのある人が採用される傾向です。
そのため就職・転職市場においても特に人手不足の業界や年齢や人間力を強みに、40代のニーズが増えています。
採用ニーズが高いのはスキルやキャリアを活かした業界・職種
転職市場で40代の求人ニーズがあるからといっても、まだまだハードルが高いのが現実です。
過去のキャリアやスキルを活かした転職であれば成功率が高いですが、未経験の業界、職種となると仕事が限定される可能性も否めません。
とはいえ人生経験豊富な40代は、仕事で培ったスキルやキャリアだけが強みではなく年齢を重ねた人間力が武器になります。
40代で転職し定年退職までの期間、やりがいを持って働くことで人生の充実度も変わってくるでしょう。
またシニアライフへの安心にもつながりますので、仕事への負担なく楽しみを持って一生出来る仕事を選ぶことが大切です。
どう選べばいい？女性が40代から一生出来る仕事選び
40代女性に向けた求人は多種多様ですが、目先の仕事に飛びついてしまうと「思ったより大変だった」「こんなはずじゃなかったのに」と後悔することも。
40代からの仕事選びは、スピード感よりも慎重さを重視して仕事を吟味することが重要です。
では、女性が40代から一生出来る仕事とはどのような仕事なのでしょうか？
仕事選びのポイントは以下の通りです。
スキルアップできる仕事
40代から先も年齢を重ねて長く働ける仕事は、実践的なスキルや知識が身に着く仕事です。
専門性の高いスキルや知識は、いくつになっても自身の強みになり、人材の市場価値も高まります。
ライフイベントでキャリアが中断してしまったとしても、仕事に復帰できる可能性が高いですね。
また未経験からの転職でも仕事をしながらスキルアップできれば、今後のキャリアも安定するでしょう。
柔軟な勤務体制
晩婚化に伴い40代での出産も増え、まだ幼稚園や小学生のお子さんをもつ女性も少なくありません。
子育て中の40代女性は仕事をする中でも子供の体調不良や学校関連行事など突発的なシチュエーションも多く、融通のきかない勤務体制では対応できないでしょう。
勤務の自由度が低いと仕事の両立が難しくなり、一生腰を据えて働くことはできません。
例えば、時短勤務やフレックスタイム制、テレワークなど柔軟な働き方が可能な職場を選ぶことで、ライフスタイルに合わせた働き方の実現につながります。
柔軟な働き方ができる仕事を確保することは、女性が一生働き続けられる仕事選びのポイントのひとつです。
体力的な負担がない
若い頃はバリバリ働いていたという方も、年齢を重ねるとどうしても体力は衰えていきます。
身体的な負担が大きい仕事は、体調不良の原因にもなり長く働き続けられない可能性も。
40代から一生働くには、体に無理をかけず自分に合った仕事を選ぶことが大切です。
例えば事務職などのオフィスワークや軽作業、もしくは体力が必要な仕事であっても自分のペースで働ける仕事がおすすめです。
働く場所を選ばない
コロナ禍に多くの企業が働き方の見直しや事業の方向転換などを進めてきました。
その中でも“働く場所”の変化があった方は多いのではないでしょうか。
コロナウイルス感染拡大防止のため通勤をやめ、在宅勤務・テレワークへの方向転換、会議やセミナーもリモートが導入されました。
また子供の突然の休校により、出勤できなくなった方も少なくありません。
やや落ち着きをみせるコロナ禍ですが、いつまた外出自粛や規制になるか分からない中で働く場所を自由に設定できる職場は「仕事ができない」「働き先がなくなる」といった不安が軽減されます。
パソコンとインターネット環境があればどこでも働ける、といった仕事であれば場所を選ばずリモートワークが可能になるでしょう。
ビジネスシーンで活躍中の40代女性はどんな仕事をしてる？
40代になると「求人がない」「自分に合った仕事が分からない」と仕事選びに苦戦されている方も多いのではないでしょうか。
総務省統計局が発表している日本の統計2022の第19章 労働・賃金には主要職種別の平均年齢が記載され、それを見ると40代以上が活躍する職種が意外と多いことが分かります。
ここでは、実際にデータを参考にして活躍している40代女性がどんな仕事をしているのか、平均年齢が40代の職種にはどのようなものがあるのかみていきましょう。
出典：総務省統計局 日本の統計2022
https://www.stat.go.jp/data/nihon/19.html
40代女性が働く主要な職種
主要な職種一覧（30種類）をみてみましょう。
看護師や准看護師、栄養士、理学療法士等の専門職を除き保育士、幼稚園教員、保育教諭、企画事務員、営業職業従事者、ソフトウェア作成者の平均年齢は30代です。
しかし、それ以外の職種の平均年齢はなんと40代が中心で中には50代という職種も見受けられます。
主な職種をみると、総合事務員（42.4歳）、飲食物調理従事者（45.4歳）、販売店員（42.6歳）、保険営業職業従事者（46.1歳）介護職員（44.8歳）となっています。
介護支援専門員（ケアマネージャー）では51.6歳と50代も活躍中です。
多くの職種で40代女性が活躍されていますが、中でもオフィスワーク系や生活に密着した職業での雇用が多い傾向ということが分かります。
40代の今からできる！おすすめの職種10選
40代女性におすすめの職種は、キャリア中断前に身に着けたスキルを活かした転職や家事や子育てなどの経験やスキルを活かせる職種が多く、選択肢も豊富です。
では、40代女性におすすめの職種をみていきましょう。
事務職
体力に不安な40代女性でも負担が少ない事務職。
時短勤務やフレックス制など比較的働き方が自由な職場が多くライフスタイルに合わせて働きやすい職種です。
総務・人事・経理など業務内容によって事務職の種類は異なりますが、マニュアルに沿って仕事を進めるので未経験の方も安心です。
パソコンスキルがある方や事務職経験者だと採用されやすいでしょう。
家庭との両立がしやすく、年齢を重ねても働き続けられることがメリットです。
営業職
営業未経験・特別なスキルなしの40代女性でも活躍できるのが営業職です。
営業には法人営業、個人営業、カウンターセールス、代理店営業など様々ありますが、人と接することが好きな人やヒアリング能力の高い方はスムーズに仕事を始めることができるでしょう。
40代女性ならではのコミュニケーションスキルや提案力を生かすことができ、頑張れば頑張るほど給料アップが実現するインセンティブ制度の職場もあります。
ノルマを負担に感じる方もいらっしゃいますが、自分でスケジュール管理できるので家庭と両立しやすいことがメリットになります。
介護職
介護は体力がいる仕事だとイメージがあるため、40代からできるの？と不安な方も多いですが、介護職は10代から70代まで幅広い年代の方が働いています。
介護施設や介護事業所など活躍の場は多岐に渡るため、年齢やご自身の状況に応じて働く職場を選ぶことができます。
介護業界は慢性的な人材不足なので、未経験・無資格でも求人が多く、正社員として採用されやすいことが特徴です。
1カ月～2カ月程度の介護職員初任者研修を受講すれば、さらに採用される可能性が高くなり今後のキャリアアップにもつながります。
介護職は慢性的に人手不足になっていることから、選考通過率が高い傾向にあるのが特徴です。今まで社会人として働いたことがなかったとしても、採用される可能性が高く、体力にある程度自信があれば女性でも働き始めることができるでしょう。
接客業
コミュニケーションが得意な方におすすめの職種が接客業で、40代だからこその柔らかさや人生経験を活かした接客にニーズが高いです。
特別な資格やスキルが必要ないので、年齢や性別問わず働くことができる職種です。
女性が多い職場では、家庭との両立がしやすく子供のイベントでも融通が利きやすいでしょう。
ハウスクリーニング・家事代行・家政婦
コロナ禍で在宅勤務の方が増え、子供が家にいる機会が多くなったことによって近年ニーズが高まっているのがハウスクリーニングや家事代行。
個人の住宅で掃除や洗濯、料理など代行して家事を行う仕事で、主婦の強みの家事スキルを活かすことができます。
入社後は研修が充実し、固定されたお客様のもとを訪問するので未経験の方も不安なく仕事が始められます。
個人宅を訪問するので基本的なマナーやビジネススキルが高い方は採用されやすく、仕事をはじめてもリピーター獲得につながるでしょう。
エステティシャン
未経験からでも始めやすい職種にエステティシャンもあります。
美容に関心のある方や妊娠中にご自身がしんどかった体験などから、年齢を重ねてエステティシャンにチャレンジする方が多いことが特徴です。
女性が多い職場なので働き方も多様で家庭の事情にも理解ある職場が多いので、両立しやすい職種です。
また手に職をつけられるのでいくつになっても働くことができ、将来的にエステサロンの開業など夢も広がります。
軽作業
仕分け・ピッキング・梱包・検品などの軽作業も40代女性におすすめ。
取り扱う商品は会社によって異なりますが、軽作業は身体的な負担が少ないため、年齢問わず長く働き続けることができます。
セレモニースタッフ
40代になると20代や30代の頃に比べて葬儀に参列する機会が多いのではないでしょうか？
これまでの経験から遺族へのサポートや対応力が強みになるのが葬儀セレモニースタッフです。
人生経験が豊かな40代だからこそ転職しやすく、入社後に研修がありますので未経験転職でも安心です。
秘書検定などビジネスマナーが身に着いている証になる資格があれば有利になるでしょう。
ホテル・旅館スタッフ
20代や30代の若い方よりも、経験豊富で基本的なマナーやビジネススキルのある40代のニーズが高いのが宿泊業界です。
他者に自然な配慮ができ、宿泊客の状況に応じた臨機応変な対応ができると評価が高い傾向です。
フロントでの接客対応のほか調理補助や清掃など幅広い職種から選択できるので、ご自身の強みに合った職場を選びましょう。
Webライター・Webデザイナー
パソコンスキルやITスキルやキャリアのある方には、Webライター・Webデザイナーもおすすめです。
ノートパソコンとインターネット環境さえあれば働く場所を選ばず、在宅勤務に対応している職場も多いので家庭と両立させやすい点がメリットです。
まずはクラウドソーシングなどで簡単な仕事から初めるのも良いでしょう。
Webデザイナーを目指す場合は、仕事を始める前にスクールや独学などでプログラミングの知識やスキルを身に着けておくことをおすすめします。
【まとめ】40代女性のニーズ上昇中！自分に合った職場選びが大切
いかがでしたでしょうか？
今回は、女性が40代から一生できる仕事に注目し、40代女性の仕事事情やおすすめの職種について紹介しました。
40代女性が活躍できる職種は多岐に渡り、積極的に採用している企業も数多く存在します。
未経験の業界、職種では一歩踏み出しにくいですが、研修が充実し仕事を始める前にしっかりとスキルや知識を身に着けることができる職場もあります。
少子高齢化によって働く人口が少なくなっているため、年齢を重ねても活躍できる人材のニーズが高く、チャンスが広がっています。
年齢をネガティブに捉えず、40代だからこその細かい気遣いや共感力、対応力を生かして自分に合った仕事を選びましょう。