大学中退者の就職率は約34%(*1)と言われている一方で、大卒者の就職率は約96%(*2)と、大きな差があります。
大学中退者が就職を成功させるには「大学中退」というマイナスイメージを少しでも無くすことが重要!
そのためには、就職に役立つ資格を取得するのも一つの方法と考えられます。
「大学中退者が取得するべき資格を知りたい!」
「資格取得以外で今すぐできることは?」
など、資格取得に向けて頑張りたい人や、資格取得以外の方法で就職を成功させたい人に役立つ情報を紹介していきます。
大学中退後の進路に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
大学中退者の就職に役立つおすすめ資格5選
大学中退者の就職に繋がりやすいおすすめの資格を紹介します。
取得に必要な勉強時間や、試験の合格率、資格が活かせる仕事も一緒に見ていきましょう。
宅地建物取引士
不動産取引の専門家である宅地建物取引士は、「宅建」と略され、認知度が高い資格の一つです。
不動産業をしている企業では、従業員のうち5人に1人は宅建物取引士でなければならないという決まりがあります。そのため資格保有者は重宝されるのです。
また、不動産業界だけでなく、他の業界でも宅地建物取引士の需要は広がってきています。就職のためだけでなく今後の転職にも役立つ資格です。
勉強時間の目安 | 300時間以上(3~6ヶ月) |
合格率 | 15〜17% |
資格が活かせる仕事 | 不動産業界、建築・建設業界、金融業界 |
基本情報技術者
ITエンジニアの登竜門とも言われる国家資格です。高度IT人材になるための基本的な知識・技術を身につけていることの証明となります。
合格率は17%程度と難関ですが、しっかりと対策をすれば合格を目指せる資格です。
IT業界で活躍の場を広げたい人におすすめです。
勉強時間の目安 | 200時間程度(2ヶ月程) |
合格率 | 17%程度 |
資格が活かせる仕事 | SE(システムエンジニア)、プログラマー |
介護職員初任者研修
数ある介護資格のスタートラインにあたる資格。介護の知識や経験が全くない人でも、「講義」と「実技演習」を受けることで、介護業務に必要な基礎知識・技術などを身につけることができます。
この資格を取得し、介護職として実務経験を積んでいくことで、さらに上の「実務者研修」「介護福祉士」「認定介護福祉士」の資格を目指すことができます。
キャリアアップして長く安定した仕事に就きたい人にもおすすめです。
勉強時間の目安 | 130時間のカリキュラムを受講(1~3ヶ月) |
合格率 | ほぼ100% |
資格が活かせる仕事 | 介護・福祉業界 |
簿記2級
経理事務に必要な会計知識を身につけるための資格です。
事務系職種で知識を活かせることはもちろんのこと、営業職でも活かせるため幅広い場面で役立ちます。
簿記には1級~3級がありますが、できれば2級以上の取得を目指してみましょう。1級を取得すると、税理士試験の受験資格を得ることができます。
認知度が高いため、簿記資格は就職・転職に有利とも言われます。
勉強時間の目安 | 300時間以上(3~6ヶ月) |
合格率 | 25%前後 |
資格が活かせる仕事 | 会計事務所、税理士事務所、企業の経理業務、コンサルタント業務・会計業務・営業職 |
中小企業診断士
経営コンサルタントの国家資格として、中小企業の経営課題に対応するための診断やアドバイスを行う専門家。
資格取得までに一次試験、二次試験(記述・口述)、15日間の実務補習があり、時間と手間が掛かりますが、その分目指す価値は大いにあります。
ビジネスに関する幅広い知識があることの証明になるため、様々な分野で活躍することができ、就職活動を有利にしてくれる資格です。
いずれは経営コンサルタントとして独立を目指すことも可能です。
勉強時間の目安 | 1000時間程度 |
合格率 | 20%程度 |
資格が活かせる仕事 | 経営コンサルタント、税理士事務所、営業コンサルティング、マーケティング、経営スタッフ、IT部門 |
大学中退者が資格を取得するメリット・デメリット
大学中退者が就職のために資格取得を目指すことは、前向きな気持ちで進んでいけるためメリットしかないように思うかもしれません。
しかし、少なからずデメリットも存在します。
資格取得を目指す人はメリットだけでなくデメリットも理解しておくことが大切です。
資格取得のメリット
空白期間に充実した時間を過ごせる
大学を中退後は何をすることもなくダラダラ過ごしてしまい、フリーターになってしまうことがありがちです。「資格取得」という目標を持って勉強に費やす充実した時間を過ごせます。
就職の選択肢を広げる
資格を持っていることで応募資格を得られる仕事もあるため、就職先の選択肢を広げられ、資格取得までの努力が今後の自信に繋がりやすくなります。
就職が有利になることも
資格は専門知識や技術を習得していることを証明できるものなので、無資格の状態よりも就職を有利に進めていけることも。また、就職後は資格があることで資格手当が付き収入アップに繋がる場合もあります。
資格取得までの努力が評価される
目標に向かって頑張れる人や努力をして結果を出したことがプラスの印象を与え、就職時アピールすることができ評価される可能性があります。
資格取得のデメリット
資格取得までに時間が掛かってしまうことも
資格によっては取得するまでに年単位の時間が掛かってしまうこともあります。いくら資格取得に向けた期間とは言え、空白期間が長くなりすぎてしまうと就職に影響しかねません。
資格取得までに費用が掛かる
資格取得のための勉強は独学でする人もいますが、数万円~数十万円を掛けて資格スクールに通うことも珍しくはありません。資格取得までの時間だけでなく費用に関しても調べておきましょう。
必ず合格できる保証はない
資格試験が年に1回しかないもの、難関資格のため1回で合格が難しいもの‥など資格によって試験回数も難易度も異なります。結果的に努力が報われ合格できればいいのですが、なかなか合格できぬまま時間だけが過ぎて言ってしまう可能性も否定できません。
大学中退から資格を取得するときの注意点
「資格を取得しよう!」と目標を見つけたときや、実際に何らかの資格を取得したときは大学中退後の不安な気持ちから解放され安心感すら覚えるかもしれません。
しかし、その気持ちが思わぬ落とし穴となることも!?
資格取得の注意点として、以下を確認しておきましょう。
資格取得の目的は何?
資格を取得しても就職(仕事)に活かせる資格でなければ意味がありません。本来の目的を見失ってしまいただの資格ホルダーにならないようにしましょう。
「簡単にとれそうだから」は危険!
たとえば、簡単に取れそうだから‥と介護職員初任者研修を取得しても、介護業界の仕事に興味がなければ意味のない資格になってしまいます。
意味のない資格を取ると、その分ブランク期間はあいてしまい、就職に不利になるかもしれません。
自分がやってみたい仕事や興味のある業界を考えて、取得を目指す資格を見極めましょう。
本当に資格が必要?
医師や公認会計士、宅地建物取引士のように、資格がないと就けない仕事もありますが、資格なしでも就ける仕事もたくさんあります。
時間を掛けて資格取得を目指すよりも、1日でも早く仕事を始めることで実務経験を積んでいく方がプラスとなる場合もあります。
働きながら資格取得を目指せる仕事や職場もあるので、就職前に資格が必要なのかも確認することが大切です。
中退理由は?後悔したことは?進路は?…大学中退にまつわる事情
そもそも、大学中退者はどのような理由で中退をしているのでしょうか?
文部科学省の調査によると、令和3年度の大学中退者は57,875人であり全体の1.95%であることが分かります。
※引用:文部科学省「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」
そして、気になる大学中退理由の上位5つは以下の通りです。
大学中退理由ランキング
1位 | 転学等(16.3%) |
2位 | 学生生活不適応・修学意欲低下(15.7%) |
3位 | 就職・起業等(14.3%) |
4位 | 経済的困窮(13.5%) |
5位 | 学力不振(7.7%) |
この大学中退理由からも分かるように、中退後の進路を決めた上で中退をしている人とやむを得ず中退に繋がってしまった人に分かれます。
大学を中退して後悔したこと
- 最終学歴が「高卒」になってしまった
- 自信がなくなる/自己嫌悪に陥る
- 時間とお金を無駄にしたと感じる
- 就職活動に苦労する
- 親や親戚から嫌味的なことを言われやすい
大学中退後のおもな進路
様々な理由から大学中退をした人の、その後の進路は主に4つが挙げられます。
- 他の大学や専門学校に進学する
- 資格を取得して就職する
- 就職をする
- フリーターになる
それぞれにしっかりとした考えがあって将来に繋がる進路であれば問題ありません。しかし深い理由もなく「なんとなく」や「とりあえず」で大学中退後の進路を決めてしまうことは、時間やお金の無駄になってしまうので注意が必要です。
特にやりたいことがない、何をしたらいいのか分からないと思っている人は、とりあえずフリーターになるのではなく正社員を目指すことをおすすめします。
資格なしの就職は厳しいのか?就職を目指す方法も◎!
就職をして正社員を目指そうと思っても、応募条件が「大卒以上」である場合も多く新卒以外での就職活動は想像以上に厳しく感じるかもしれません。
もちろん資格取得も一つの手段ですが、大学中退後の20代という“若さ”は就職活動に於いて大きな武器になります。
20代の採用は実績や経験、スキルよりもポテンシャルが重視されるため、「仕事への熱意・やる気」「人柄」をアピールすることで資格なしからでも就職を成功させることは可能です。
さらに、スムーズな就職活動とするためには、大学中退者の就職サポートに強みを持つ就職・転職エージェントの活用がおすすめです。
大学中退者が正社員を目指すなら【キャリアスタート】
「キャリアスタート」は、大学中退・フリーター・高卒といった、職歴に自信のない20代におすすめの転職エージェントです。
若手のキャリアアドバイザーが多数在籍しており、求職者との年代が近く、就職相談がしやすいのも選ばれるポイント。
未経験OKなどの求人を多く取り扱っているため、職務経験ゼロでも正社員就職をあきらめる必要がありません。
特に20代からは丁寧な支援だと評価の高いエージェントサイトです。
【まとめ】資格取得?就職?あなたはどっちを選ぶ?
ここまで、大学中退者の資格取得について紹介してきました。
大学中退後にまず考えるべき事は「就職のためにどの資格を取るか」ではなく「どんな仕事に就きたいか」をベースに進路を選んでいくことではないでしょうか?
- 資格がなければ就けない仕事なら資格取得を目指す!
- 働きながら資格を取ってステップアップできる仕事なら就職を目指す!
“大学中退“を引け目に感じるのではなく、新しいスタートだと思い前に進んでいきましょう。