看護師の転職

病棟看護師とはどんな仕事?外来との違い・辛いところ・必要なスキル

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病棟看護師と言えば、誰もがイメージする存在でしょう。外来では関わることはほとんどありませんが、入院すれば多くの方がお世話になるのが病棟看護師です。

病棟看護師は各診療科に応じて配属されており、1つの病棟におよそ20~30人程度が在籍します。患者さんにとっては最も身近で、関わる時間も長い看護師ですが、どのような働きをしているのでしょうか。

今回は病棟看護師の仕事について、仕事内容や病棟ごとの特徴、必要なスキル、辛いこと、やりがいを紹介します。本記事を読んで、病棟看護師についての理解を深めていきましょう。

病棟看護師とはどんな仕事?

病棟看護師とはどのような仕事なのか、仕事内容や外来看護師との違いも含めて解説します。

H3:病棟看護師の仕事内容

病棟看護師は24時間365日稼働する病棟で働き、日勤と夜勤を交代で行います。患者さんと最も関わる時間が多いのも看護師であり、入院中は身の回りの世話を率先して行います。

病棟看護師が行う仕事内容の一部は下記の通りです。

  • 病棟ラウンド(朝・夕の挨拶、バイタルサイン測定)
  • 点滴・注射・採血の準備と実施
  • 入浴介助・清拭介助
  • 体位変換
  • 排泄介助・おむつ交換
  • 生活指導
  • 検査の付き添い
  • カルテ記録
  • 看護計画の立案
  • 入退院対応
  • チームカンファレンス実施

一部の仕事内容ですが、上記のような仕事を行います。患者さんに直接関わる仕事から、治療内容に関わるものまで様々な場面で病棟看護師は活躍しています。

1日のスケジュール

病棟看護師の1日のスケジュールについて、日勤・夜勤それぞれの基本的なスケジュールを紹介します。

日勤の1日は次のようなスケジュールです。

8:00出勤・患者情報収集
8:30申し送り・ミーティング
9:00病棟内ラウンド・バイタルサイン測定
10:00点滴・注射・清拭・入浴介助等の患者さんのケア
12:30食事配膳・食事介助・昼休憩
13:30病棟内ラウンド・バイタルサイン測定
15:00チームカンファレンス
16:00点滴交換・看護記録記入
16:30夜勤看護師への申し送り
17:00退勤

夜勤の1日は次のようなスケジュールです。

16:00出勤・患者情報収集
16:30申し送り・ミーティング
17:00病棟内ラウンド・バイタルサイン測定
18:00食事配膳
19:00与薬・トイレ介助等の患者ケア
21:00消灯・病棟内ラウンド・体位変換
23:00病棟内ラウンド・体位変換
5:30採血・バイタルサイン測定
6:30食事配膳
8:30日勤看護師への申し送り
9:00退勤

勤務する病棟によっても細かな業務の流れ、2交代制と3交代制の違いはありますが、多くの病棟で流れはほぼ同じです。

外来看護師との違い

看護師は大きく分けて、病棟看護師と外来看護師に分かれます。病棟看護師は病棟で夜勤ありの体制で働く看護師、外来看護師は各診療科の外来で働く看護師です。

外来看護師の仕事は主に医師の診療補助であり、患者さんの問診や検査の実施、処置、セルフケアの指導などを行います。クリニックであれば受付業務や事務作業、電話対応なども対応するのが外来看護師です。

病棟看護師は外来看護師とは違い、外から受診に訪れた患者さんの対応をすることはなく、対応するとしても患者さんの家族くらいです。24時間体制で患者さんの看護を行うことから、1人の患者さんにかけられる時間が多い特徴があります。

逆に外来看護師は外来受診の少ない時間で患者さんと接し、必要なケアを判断する能力が求められます。そのため、外来看護師は病棟で看護経験を積んだベテラン看護師が担当するケースが多いです。

病棟の種類と特徴

看護師の所属する病棟には診療科の違いだけでなく、病棟ごとに分類があります。それぞれの分類と特徴について解説します。

急性期病棟の特徴

急性期病棟とは、病気が原因で突発的に症状が悪化した患者さんや、手術が必要な緊急性の高い患者さん、術後の病態が不安定な患者さんへの高度な医療を提供する病棟です。

拠点病院や大規模な病院であれば、一次救急・二次救急に指定されていることもあり、切迫性の高い患者さんが集まります。病棟看護師は命に関わる患者さんに対して、スピーディで正確な処置を行い、状態を詳しくアセスメントする能力が必要とされます。

他の病棟に比べると患者さんの状態変化が早いため、看護師の仕事も多忙になることが多いです。

回復期病棟の特徴

回復期病棟は、急性期からある程度回復して安定してきた患者さんをメインに、回復のための治療と発症前と同じ状態に戻すためのリハビリを行う病棟です。患者さんが回復に向かっていくことになるため、比較的状態が安定した患者層になっています。

リハビリを治療に取り入れていることから、看護師はPT・OTなど多職種と連携して、日常生活に戻れるようにサポートを行います。急性期に比べると患者さんと関わる時間が多く、患者さんとのコミュニケーションも多い点が回復期病棟の特徴です。

療養型病棟の特徴

療養型病棟とは、回復期を過ぎて長期のリハビリや治療が必要な方に対して、必要なケアや介護、リハビリを提供する病棟です。病状の安定した患者さんが多いことから、患者さんとコミュニケーションをとりながら一緒にリハビリを行います。

患者さん1人あたりの入院期間も長期化しやすく、3カ月以上を療養型病棟で過ごす方も少なくありません。そのため、患者さん一人ひとりと信頼関係を構築し、しっかりとした看護を提供したい方には向いている病棟です。

慢性期行頭の特徴

慢性期病棟は、急性期を過ぎたものの長期的に治療が必要な患者さんに対し、必要な医療・処置を行うとともに、病識を身につけてセルフケア能力を高めることまでを目的にしている病棟です。

糖尿病や高血圧、心疾患、慢性腎不全などの病状が悪化して入院する方も多く、看護師は症状の早期発見、患者さんのセルフケアに対する意識付けも重要な仕事となります。

終末期の方が入院することもあるため、ターミナルケアや緩和ケアも行うことがあり、患者さんの些細な変化も見逃さない観察力、精神的な苦痛を和らげる関わりも重要です。

慢性疾患を抱えて生きる患者さんの複雑な心理を理解し、気持ちに寄り添う看護を求められるでしょう。

終末期・緩和ケア病棟の特徴

終末期・緩和ケア病棟とは、末期がんを中心に余命宣告がされている患者さんや生命の危機が迫っている方に対し、身体的・精神的・社会的・霊的苦痛を緩和することを目的とした病棟です。

終末期・緩和ケア病棟では治療によって回復を目指すのではなく、患者さんの抱える痛みや不快な症状を緩和することに重点が置かれます。末期がんでは強い倦怠感、食欲不振、耐え難い身体の痛み、希死念慮など色々な症状が現れます。

そうした患者さんの苦痛を全人的な観点からサポートし、家族までをケアの対象としたのが終末期・緩和ケア病棟です。若手看護師よりも一定の経験を積んだ看護師が働いており、患者さんとの関わり方も難しい特徴があります。

地域包括ケア病棟の特徴

地域包括ケア病棟とは、急性期を脱して病態は安定しているものの、在宅復帰の前段階としてADLを高め、その人らしい生活を送れるようにサポートすることを目的にした病棟です。

急性期病棟や回復期病棟などから移行し、自宅でのサポート体制の整備、社会資源の準備、外部の福祉機関の調整を行い、患者さんの生活をバックアップすることが特徴です。

要支援・要介護の患者さんに対し、介護施設やヘルパーとの連携を図ることもあり、多職種連携が求められます。院内ではソーシャルワーカーやケアマネジャーなどとも相談し、利用できる社会資源の提案も行います。

患者さんへのケアというよりも、サポート体制整備に力を入れているため、各種保険や社会福祉制度についての理解が深まるでしょう。

病棟看護師に必要なスキル・能力とは?

病棟看護師として働くにはどんなスキルや能力が必要なのでしょうか。自分の適性が気になる方は、当てはまるかどうか考えながら読んでみてください。

体力と精神力

病棟看護師の仕事は非常にハードで、夜勤もあるため毎日不規則な生活になります。仕事を乗り切るためには、体力・精神力が強くなければ続けられません。

急性期病棟であれば病棟内を常に駆け回っており、療養型病棟であればリハビリや体位変換で腰を痛める人も出てきます。ほとんどの病棟で1日座ることなく動き続けることから、息つく暇もありません。

また、患者さんはちょっとしたことでもナースコールで呼び出し、看護師はその対応に追われます。どんなときでも笑顔で対応を続けるには、体力・精神力の強さが求められます。

コミュニケーションを楽しむ気持ち

看護師の仕事は元々、人と接することが基本です。コミュニケーションを通して患者さんのことを理解し、体調や精神状態を把握することが仕事のうちです。

患者さんだけでなく、「人とのコミュニケーションを楽しむ気持ち」を持っていれば、仕事をしていても自然と信頼関係を構築できます。逆に「人と話すのが苦手、緊張する」というタイプの方は、色々な人と話して慣れておくとよいでしょう。

コミュニケーションが苦手な看護師では、患者さんとの信頼関係が重要な病棟での治療において、仕事をしていくこと自体が苦痛になってしまうからです。

学習意欲の高さ

医療現場で活躍するには、基礎となる専門知識・技術を身につけたうえで、日々知識と技術をアップデートしていくことが求められます。看護師でも取得できる資格は年々増えており、向上心と学習意欲がなければ患者さんにも迷惑を掛けてしまいます。

古い知識が間違っていて悪影響を与える可能性もありますから、新しい知識を身につけようと努力することが大切です。最近では看護師にも認定看護師・専門看護師、特定看護師なども登場し、専門性に特化した看護師が増加しています。

医療の進歩についていけなければ働きにくくなっていますから、学習意欲の高いことが看護師に求められる資質の1つと言えるでしょう。

命に向き合う責任感

看護師の仕事は判断1つで命に関わる場面もあり、命に対して看護師が負っている責任は重大です。どのような病棟でも患者さんの急変は起こりえますから、看護師は常に命に対する責任を自覚していなければなりません。

また、患者さんと家族は病気になったことで精神的なショックを受けており、深く傷ついているケースが多々あります。そうした患者さん・家族と関わっていくうえで、看護師の放つ言葉には重みがあります。

自分の言葉と行動が患者さんにどれほどの影響を与えるのか、その責任を自覚することが大切です。

相手の気持ちに共感する力

患者さんは病気や怪我など、思わぬ状況に落ち込み、苛立ち、不安の只中にいることがしばしばあります。そうした患者さん、患者さんを支える家族の心情を理解することは、看護師として必須です。

患者さんが今どのような心理状態なのか、表情や言葉、仕草から相手の気持ちを理解し、共感する能力が病棟看護師には求められます。もちろん、単に共感するだけでなく。時には励まし、間違っていることは間違っていると言えることも大事です。

また、子育ての経験がないのに子育てのことを指摘するなど、人生経験と釣り合わないことをしてもいけません。「こうすれば間違いない」という正解はありませんから、自分なりの解釈で患者さんと関わっていこうとする姿勢が大切です。

病棟看護師の大変なところ・よくあるお悩み

多くの患者さんに慕われる病棟看護師ですが、見えないところで色々な悩み、大変な思いもしています。どのような辛さがあるのか見ていきましょう。

複雑な人間関係

看護師のほとんどが抱えている問題として、「職場の人間関係」が辛いと感じています。退職理由として代表的なものに入るほどで、看護師が退職を考えるほど人間関係に問題を抱えているとも言えます。

病棟看護師は非常に多忙な仕事であることに加えて、多職種連携とチーム医療が必須ですから、仕事をしていくうえで人間関係は必須です。しかし、終わらない業務と疲労によってストレスが蓄積し、人間関係が悪化してしまう看護師も多数います。

少人数でゆったりとしたペースで働ける職場なら、人間関係トラブルは少ないです。そのため、人間関係に悩んでいる方は、職場移動や転職も1つの選択肢になるでしょう。

生活リズムが崩れて体調を崩しやすい

病棟看護師の仕事は日勤と夜勤を繰り返すため、毎日日勤の外来看護師に比べて不規則な生活リズムです。夜勤は2交代制なら16時間、3交代制なら8時間程度を拘束され、夜間に働かなければなりません。

若手の看護師であっても夜勤後は自宅で動けなくなるほど、過酷な勤務になることもあります。夜勤のある病棟看護師は生活リズムの乱れから自律神経に異常を来し、不眠や過食になる人も多いです。

体調管理のために日々気を使う必要があり、思い通りにプライベートを過ごせないといった不満もあります。病棟看護師は夜勤がある中でも、日頃の体調管理が重要な仕事の1つと言えるでしょう。

常に勉強を続けなければならない

医療業界は新しい知識・技術、資格などが登場しています。病棟看護師として業界や周囲の環境に後れをとらないためにも、日々の学習は欠かせません。

しかし、誰もが高い学習意欲やモチベーションを持っているわけではなく、勉強することが辛いときもあります。看護師と勉強は切っても切り離せない関係にありますから、勉強を続けることが辛く感じることもあります。

自分がやりたい分野とは違う

看護師は新人・中堅・ベテランと色々な年齢層がありますが、誰にでも得意とする分野や関心のある分野があります。運よく自分の適性や興味と合致した病棟で働くことができれば、自分の専門性を高められます。

しかし、中には自分の適性と合っておらず、関心も薄い分野ということも珍しくありません。関心のない仕事を続けるのは精神的に辛いもので、モチベーションも低下していきます。

時には新たな適性が見つかることもありますが、見つけられずに悩みながら働くこともある点が大変なところです。

奨学金返済のために辞められない

新人看護師に多い悩みですが、奨学金を受け取りながら学校に通った方も多数います。医療法人の奨学金を受領しており、「一定期間は指定された病院で働かなければならない」などの条件が付けられていることもあります。

奨学金返済の条件のために働いているケースもあり、本来希望していた場所で働けず、不満に思っている方も少なくありません。奨学金の返済条件を満たすまでは我慢して働き、その後は自分の働きたい病院へと転職する方も多いです。

病棟看護師のやりがい

病棟看護師として長く働いていくには、やりがいも欠かせません。病棟看護師のやりがいにはどのようなポイントがあるのか、やりがいに繋がるポイントを解説します。

患者さんの治療に貢献できる

看護師にとって最もやりがいを感じる瞬間は、関わってきた患者さんが無事に退院していくときです。患者さんと家族からの感謝の言葉、笑顔で退院していく姿は、「看護師をやっていてよかった」と感じるはずです。

特に病気で体調が悪い状態から回復していく姿を見ていると、治療に貢献しているという実感が湧き、病棟看護師としてのやりがいに繋がります。

タイムスケジュールを計画して働く

病棟看護師は多忙な日々を過ごすからこそ、「今日はどんなスケジュールで動こうか?」と頭の中で効率的な動き方を考えています。分単位で計画を練って、予定通りに進められると「上手くいった」と内心で満足感を得ている方も多いです。

逆に予期せぬ入院や急な対応が入ると予定が狂ってしまうため、イライラする看護師も少なくありません。予定通りのタイムスケジュールで仕事を進め、無事に1日の仕事を終えることが病棟看護師にとってのやりがいに1つです。

看護師としてのスキル・知識が鍛えられる

病棟看護師として働く中で、経験を積んで成長を実感できるときもやりがいを感じる瞬間です。特に採血や注射が難しい患者さんに当たったとき、1回で血管を捉えたときは技術の向上を実感できます。

看護師は専門知識を活かしながら、看護技術を駆使する肉体労働です。看護技術やスキルが磨かれると「もっと頑張りたい」という意欲に繋がり、働くモチベーションになるでしょう。

まとめ:病棟看護師は経験を積むには最適な環境

看護師の多くは学校を卒業後、どこかの病棟に所属して働いています。看護師として多くの患者さんと関わるとともに、多くの経験を積むことができます。

将来的にキャリアアップをするのか、専門分野に特化するのか、資格を取得するのかなど、看護師に選べる道は様々です。どのような道を選ぶにしても、病棟看護師として働いた経験は生かせます。

将来的な選択肢を増やすためにも、病棟看護師として色々な経験を積むことを大切にしてください。

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