医療技師の転職

診療放射線技師の転職が難しいと言われる理由、転職成功の極意

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放射線技師は正式名称を『診療放射線技師』といい、放射線検査や放射線治療を唯一業務として行える『業務独占資格』の位置づけになる国家資格です。

X線検査・バリウム検査、マンモグラフィ検査、CT検査といった放射線検査、放射線を使ったがん治療のほか、MRI検査や超音波検査など放射線を使わない医療機器も使用して、様々な検査や治療を行う専門家です。

業務独占資格ですから、医療機関ではなくてはならない職種です。しかし、転職市場では現在診療放射線技師は飽和状態で、転職難であるとも言われています。

診療放射線技師の転職を成功させるにはどうしたらいいのか、これを読めば診療放射線技師の転職の実態と、成功の極意が分かります!

診療放射線技師の転職はなぜ難しいのか

飽和状態と言われる診療放射線技師の実態

診療放射線技師は現在求人に対して飽和状態となっており、転職が難しいと言われています。しかし、けっして転職ができていないというわけではないし、転職で成功している診療放射線技師はそれなりにいます。難しいというのは本当なのでしょうか?

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト『jobtag』によると、ハローワークにおける診療放射線技師の有効求人倍率は1.12倍となっています。(*)

*参照:厚生労働省『jobtag 診療放射線技師』

決して高いとは言い難いですが、1人に1件は求人があるという数字になっており、飽和状態とも言い難いのでは?と思ってしまいますよね。

しかしこの有効求人倍率はあくまで全国の平均です。1.12倍を中心に、地域によって大きな格差が起こっています。

地域差が激しい診療放射線技師の転職を乗り切るには

『jobtag』から、上位と下位3府県分の有効求人倍率を抜粋して表にし、比較します。

上位3県 下位3府県
静岡県 1,78 茨城県 0.46
新潟県 1.69 福岡県 0.54
山口県 1.52 京都府 0.57

上位3県は2倍近い求人倍率であるのに対し、下位3府県は1倍を大きく下回ってしまっています。

むしろ東北や北陸、中国以南など各地方では有効求人倍率が出ていない県も多く、地域によっては実際に求人に対して診療放射線技師が飽和状態であるというのも現実となっています。

現在の居住地で診療放射線技師の求人が少なく、転職が難しいと感じた方は、有効求人倍率が高い他県で転職活動をするという手もあります。

とはいえ県によって最低賃金のラインも違っているため、転職はできるが年収は下がるという問題も発生する可能性はあります。

他県で転職活動をするという場合には、年収や住宅手当などもしっかり確認する必要があります。

診療放射線技師の資格が活かせる転職先は選択肢が広い

診療放射線技師の主な職場といえば、病院やクリニックです。

しかし、上記のように地域によっては放射線技師が飽和状態となっており、転職が難しいと感じてしまう方も実際にいると思われます。

そういう場合には、一度病院から離れて企業に転職するという手もあります。診療放射線技師は意外と転職の選択肢が広いので、診療放射線技師の資格と経験が活かせる職場を紹介します。

病院・クリニック

診療放射線技師が一番多く働いているのは、やはり病院やクリニックです。

特に大学病院や救急病院、総合病院などでは最新の検査や治療を行う医療機器を揃えている場合が多く、診療放射線技師が広く活躍できます。

規模が大きなればなるほど診療放射線技師を多く雇用しているところが多く、操作する医療機器の専門性も高くなるため、自分が使いたいと思う医療機器の分野で求人が出ていないと、希望通りに働くことができない場合もあります。

また、クリニックではMRIなど導入していない機器もあったりするので、希望の医療機器に携われる求人が出ているかは注意が必要です。

健診センター

総合病院でも健診専門の科がある場合も多いですが、民間の健診センターという選択肢もあります。

診療放射線技師としては、X線検査やバリウム検査、マンモグラフィ検査を行うことが多いと思いますが、中にはCT検査や超音波検査士などを行っている場合もあります。

機械ごとに専任の担当がつくというより、一人でいくつも掛け持ちで操作する場合が多いです。マンモグラフィ検査もあるため、女性が積極的に雇用されやすい現場です。

病院では健診利用者が来院しますが、企業では車で現場に訪問して作業することも多いです。

医療機器メーカー

医療機器メーカーに転職する診療放射線技師の多くは、アプリケーションスペシャリストという職種に就く場合が多いです。

アプリケーションスペシャリストは、病院で診療放射線技師として働いた経験がある方は直接関わることも多いのではないでしょうか。

営業の補助的立場として病院などの顧客のもとに訪問し、自社で開発した製品のデモンストレーションを行います。使用法や点検・保守のやり方を、検査・治療担当者にレクチャーします。

あくまで顧客は医療機器を導入する病院などの施設であるため、患者さんと関わることは基本的にありません。

中には営業や企画・開発などの部署に転職する方もいます。

治験関連企業

SMO(治験施設支援機関)で治験コーディネーターとして働きます。中には治験専門部署がある病院で勤務する方も居ます。

がん治療をしながら治験に参加する方など、診療放射線技師としての資格や経験を活かせる場合もあり、元々は臨床検査技師や薬剤師の転職先として人気でしたが、昨今では診療放射線技師の転職先としても注目されています。

治験がスムーズに行われるよう、関係者のスケジュール調整や、治験の準備・運用・報告書の作成までが業務となります。

病院と企業で違う診療放射線技師としてのやりがい

診療放射線技師の転職は飽和状態で難しい。病院の求人がないなら企業で働くという道も…とはいえ、病院と企業では診療放射線技師としてのやりがいは全く違うものになります。

次は病院と企業、診療放射線技師としてそれぞれどんなやりがいがあるのか、比較してみましょう。

病院のやりがい 企業のやりがい
・医療機器を操作し、患者さんと触れ合える
・患者さんの治療に携わり、回復する姿が見れる
・患者さんから直接感謝されることも多い
・最先端の医療現場に携わることができる
・患者さんの病気を早期発見し、救うことができる
・働いた分がしっかり収入に繋がる実感がある
・最先端の医療機器を作り出す事に携われる
・日々違う現場に赴くことが多く、刺激になる
・新しい医療機器や薬を作り出すことで、更に救える命があるという希望が持てる

治験コーディネーターや健診センターで働く場合には患者さんや利用者さんと触れ合う機会はありますが、企業で働いた場合、患者さんの治療自体に直接関わることは基本的にありません。

そのため、患者さんの治療に携わりたいという目標ありきで診療放射線技師になったという方は、病院勤務の方が向いているでしょう。

対して、医療機器を操作する、最先端の医療機器に興味があるという方は企業で働くことに適性があると思われます。

求人数や転職の難易度だけで転職を考えると、いざ転職後にこんなはずじゃなかった、思ったのと違ったというミスマッチを起こしやすいです。あくまで自分がどんな診療放射線技師を目指しているのか、目標を持って転職先を選ぶことをおすすめします。

スキル・キャリア・年収アップを目指せる診療放射線技師の認定資格

病院で働くにしても企業で働くにしても、診療放射線技師という国家資格に加えて、診療放射線技師としてスキルを伸ばせる資格を取得することで、キャリアや年収をアップすることも可能です。

自身が目標とする診療放射線技師としてのキャリアが積める資格を取得し、専門性や技術を高めることによって、転職をより優位に進められる資格を選んで取得してみてはいかがでしょうか。

検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師

『日本乳がん検診精度管理中央機構』が行う、マンモグラフィ検査の資格です。受講するには同機構が開催する講習会を受講し、試験に合格することで資格取得することができます。(*)

*参照:日本乳がん検診精度管理中央機構『検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師の認定を受けるには』

超音波検査士

『日本超音波医学会』が行う試験を合格することで取得することができる資格です。この資格を取ることで、超音波検査のスキルを高めることができます。(*)

*参照:日本超音波医学会『超音波検査士制度委員会』

X線CT認定技師

『日本X線CT専門技師認定機構』が行う試験に合格することで取得することができる資格です。X線CT検査の技術向上を目的とした資格なので、取得することでX線CT検査のスキルを高めることができます。(*)

*参照:日本X線CT専門棋士認定機構『X線CT認定義歯の情報』

胃がん検診専門技師

『日本消化器がん検診学会』が行う試験に合格することで取得することができる資格です。

上部消化器官検査を専門に、放射線技師の技術と精度の向上を目的とした資格です。(*)

*参照:日本消化器がん検診学会『胃がん検診専門技師認定制度に関するお知らせ』

医学物理士

『医学物理士認定機構』が行う試験に合格することで取得することができる資格です。

医学物理士とは、医学物理士認定機構の説明から抜粋すると、「物理学に関連する科学的知識を医療の分野に応用する職業」ということになります。(*)

*参照:医学物理士認定機構『医学物理士とは』

この資格を取ることで、物理学的観点から放射線検査や治療に関する知識を得ることができ、医療だけでなく研究開発の分野にも役立てることができるため、仕事の幅が広がることは間違いありません。(*)

*参照:医学物理士認定機構『医学物理士認定制度』

放射線機器管理士

『日本診療放射線技師会』が行う試験に合格することで取得することができる資格です。

放射線関連機器の安全かつ良質な使用・管理が行えるよう、技術と知識を向上することを目的とした資格です。(*)

*参照:日本診療放射線技師会『認定資格』

他にも診療放射線技師が取得できる資格は様々な分野のものが数多くあります。

興味がある方は、『診療放射線技師 資格一覧』などのワードで検索してみると、自分の目指す分野にマッチする資格が見つかるはずです。

理想の転職を実現したい診療放射線技師の転職エージェントの選び方

診療放射線技師に合った転職エージェントの選び方とは

難しいと言われる転職ほど、転職方法としては転職エージェントを使うのがおすすめです。

しかし、転職エージェントと一言で言っても、たくさんありすぎてどこに登録すればいいのか悩んでしまいますよね。

そこで、診療放射線技師の転職でおすすめしたいのは『特化型転職エージェント』です。

特化型転職エージェントは、職種などの特定の条件に特化した転職エージェント。

診療放射線技師に特化した専門の転職エージェントでは、実際に働いた経験があったり、資格を取得したキャリアアドバイザーが多く在籍しているので、より専門的な求人紹介とサポートを受けることができます。

また、転職エージェントごとに得意な分野というものがあります。たとえば、病院求人が得意、クリニックが得意、企業求人のほうが得意、都市部もしくは地方求人が得意などです。

人気の閲覧数・登録数だけに頼ってしまうと、自分の希望に合った求人が少ないなどの転職エージェントとのミスマッチが起こる場合もあるので、自分が理想とする転職に合った転職エージェントを選ぶのが大事なのです。

転職成功を目指すなら転職エージェントは便利なツールとして使おう

転職エージェントを利用する際に、全然サポートしてくれなかった。放ったらかしでフェードアウトされたと不満を持つ方が多いです。

しかし、これに関しては一方的に転職エージェントが悪いとは言い難い場合もあります。

転職エージェントは、求職者ではなく求人を出す企業から紹介が成功してようやく紹介料を受け取るシステムです。

転職ができなければ無償となってしまうため、転職に積極的でない求職者よりは、前向きに転職したいという方にサポートは偏りがち。

転職エージェントを使う際には、あなた自身も転職エージェントを使って転職をするという意志を見せるだけでも対応は大きく変わるはずです。

また、転職エージェントは一社だけでなく2~3社を掛け持ちで利用することをおすすめします。

求人を比較することもできますし、転職エージェントにも相性というものがあるので、合わなかった時にすぐに次に移行することができ、効率的に転職活動を行うことができます。

病院に転職したい場合には『レバウェル医療技師』『放射線技師人材バンク』『診療放射線技師JOB』などの特化型転職エージェント、企業に転職したい方は『doda』『リクルートエージェント』などの大手総合型転職エージェントもおすすめです。

自分に合った転職エージェントを上手く活用して、難しい転職も成功させよう!

診療放射線技師の転職は、決して簡単とは言えないかもしれません。

とはいえ、すべての診療放射線技師が転職できずにくすぶっているわけではありませんし、実際に転職を成功させて、仕事を充実させている方はいます。

転職の仕方によって、あなたにも十分転職成功のチャンスはあります!

難しいと思う転職こそ、転職のプロである転職エージェントを上手く活用していくのがおすすめ。

転職エージェントに転職させられるのではなく、あなたが転職エージェントをうまく使って転職をする気持ちで、あなたに合った転職エージェントを選んで積極的にサービスを使っていきましょう。

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