医療技師の転職

臨床検査技師の志望動機の書き方!採用担当者に評価されるポイント

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臨床検査技師として臨床経験を積むうちに、「もっと色々な技術を学びたい」「別の環境に身を置きたい」という考えを持つ方も多いのではないでしょうか。新しい環境で働くと気持ちを一新でき、モチベーションを高める効果もあります。

本記事は初めて転職活動する臨床検査技師の方向けに、履歴書や職務経歴書の志望動機の書き方を解説します。どのような転職先でも履歴書や職務経歴書は必須になりますから、本記事を参考に志望動機でアピールする方法を学んでください。

志望動機で採用担当者が評価するポイント

臨床検査技師が転職活動をする際、転職先の採用担当者が何を評価しているか知ることは大切です。採用担当者の注目するポイントを知り、志望動機で他の候補者に差をつけましょう。

どのような経験を積んでいるか

採用担当者は、最初に書類で候補者の優劣、職場への適性を判断します。入社後にどのような活躍をしてくれるかまで考えており、臨床検査技師として十分な経験があるか否かに注目しています。

そのため、臨床検査技師として、臨床でどのような経験をしてきたかを具体的に書くことが重要です。臨床検査技師は医療専門職であり、担当分野ごとに専門性が違います。

また、チーム医療の一員でもありますから、チーム医療にどのような貢献をしてきたか書くこともアピールになるでしょう。臨床経験をエピソードも交えながら書くことで、より採用担当者に自分の経験をアピールできます。

なぜ転職を希望しているか

転職の志望動機を書く際、「なぜその職場への転職を希望しているのか」について書くこともポイントです。特に重要なポイントは、「その職場にこだわる理由」を書くことです。

他の職場でも良いと判断される理由を書いてしまうと、志望動機として弱いという印象を持たれてしまいます。特に、多くの応募者が集まる職場であれば、一人ひとりの候補者に掛ける時間は少なくなります。

採用担当者が志望動機を読んだときに、「この候補者は気になる」と思える志望動機を書きましょう。職場の特徴や専門性、企業理念などを理由に書くことで、採用担当者に好印象を与えられます。

転職の希望理由を書く際は、転職先に選んだ理由をわかりやすく書いてください。

どのようなビジョンを持っているか

採用担当者は候補者が入社後、職場で活躍し、成長してくれることを期待しています。そのため、将来に向けてのビジョンを志望動機に含むことで、前向きに取り組む姿勢をアピールできます。

逆に将来のビジョンがなく、なんとなく志望動機を書いていると、採用担当者の印象には残りにくいです。ビジョンについて書く際は、職場の経営理念やビジョン、ミッションを調べてから書きましょう。

職場の理念やビジョンにそぐわない志望動機を書くと、採用担当者からの印象は良くありませんから注意しましょう。

志望動機を書く際の4つのポイント

志望動機を書く際は、採用担当者に自分をアピールするポイントを押さえて書くことも大切です。どのようなポイントを書くべきか、4つのポイントを解説します。

転職先に必要なスキルをアピールする

臨床検査技師は転職先によって、必要とされるスキルは違います。求人票の情報や企業情報などを収集し、どのような活動をしているのか把握しておくことが大事です。

病院なら幅広い検査技術を必要とし、病院で働いてきた方なら臨床経験をアピールできます。検診センターであればエコー検査の能力が重視され、生理機能検査の経験をアピールすることがポイントです。

就職先がどのような臨床検査技師を求めているか、転職希望先のニーズを把握してスキルをアピールしましょう。

経営理念やビジョンで共感したことを書く

病院や施設、企業には、それぞれ経営理念やビジョンがあり、経営者によっても運営方針は違います。転職先がどのような理念で活動しているかを調べ、共感した点は志望動機にも盛り込みましょう。

仕事への理想だけを書いても、「ここじゃなくてもいいのでは?」と採用担当者から判断されてしまいます。転職希望先の理念やビジョンの中で共感できる点を見つけ、自分の仕事観と結びつけて志望動機を書いてください。

臨床検査技師としての仕事への考え方を明確にする

志望動機を書くうえで欠かせないのが、自己分析による適性や強み、価値観の明確化です。転職先との適性を測るうえでも重要ですから、自己分析で臨床検査技師としての仕事への考え方を明確にしましょう。

明確化できたら、今後の仕事への熱意、患者さんとの関わり方など、仕事において重視するポイントを言語化するのがポイントです。

上手く求められている人材とマッチできれば、採用確率も大幅にアップします。

前職の経験をどういったところで活かせるか

現在、病院やクリニック、検査室で働いている臨床検査技師の方は、臨床で経験し、学んだことや印象に残ったエピソードをしっかりと伝えられるようにしましょう。

前職で培った経験を次の職場でも活かすには、新しい職場のどのような場面で活かせると考えているかを自分なりにまとめてください。

実際の職場と多少のズレがあっても構いませんから、経験を活かせるポイントを伝えることで、自分の能力を客観視できる人と評価されます。

仕事は自分の能力を把握し、対応できるキャパシティや業務の範囲をコントロールする力も求められます。前職での経験があるからこそ、転職先で経験を活かせることをアピールしてください。

書かない方が良い志望動機の例

志望動機に書くべきポイントがある一方、書いてはいけない、または書かない方が良い志望動機もあります。例文も交えながら、NGな志望動機を紹介します。

給与や雇用条件を書くこと

志望動機に給与や雇用条件を書くと、「条件の良い職場にすぐ転職しそう」という風に受けとられやすいです。例えば、次のような志望動機を書くと印象が良くありません。

私が貴社を希望した理由は、福利厚生が整備されており、安定した昇給が期待できるからです。臨床検査技師の仕事は専門性が高い割に給料が低く、これまではやりがいを感じませんでした、貴社では働きやすい環境になると感じており、やりがいを見いだせると思っています。

このような志望動機では、仕事そのものを見ているのではなく、雇用条件や給与だけで仕事を判断しているという印象を与えます。内心で給与や待遇を考えていても、志望動機には書かないでください。

人間関係のトラブル

前職での人間関係についても、志望動機に書くべきではありません。仕事で働く以上、人間関係はどこに行っても必要なものです。

特に医療専門職はチームで連携するもので、患者さんを支えるには必ず人間関係が生じます。人間関係を志望動機に入れると、採用担当者から不信感を持たれるので注意してください。

NGな例文として、以下のような内容があります。

貴社は少人数で検査を行う体制をとっており、人間関係で悩むことが少なく、働きやすい環境だと考えております。チーム医療では関係者と意見が対立することもあり、スムーズな治療が行えていませんでした。貴社であれば、私の能力を十分に活かしやすいと考えており、やりがいも強いものと考えております。

前職の人間関係への不満を書いてしまうと、コミュニケーション能力に難点があると判断されます。チーム医療では意見が違っても話し合いで解決し、患者さんにとって最善の方策を練る目的があります。

コミュニケーションを否定するような内容では、採用担当者に良い印象は与えられません。

前職の環境への不満

書かない方が良い最後の内容は、前職の環境への不満を書くことです。働いていれば誰もが1つや2つの不満を抱えており、気持ちに折り合いをつけながら働いています。

よくある退職理由でも、職場の環境への不満を見かけますが、志望動機に含むのはNGです。NGな志望動機の例は次のような内容です。

貴社の仕事は個人で仕事を進めやすく、1つの仕事に集中して取り組めると考え、志望いたしました。私は現在の職場で多くの仕事を担当し、担当外の業務までもやる状況でした。成長の機会も得られましたが、やりたい仕事とは違ったため、貴社の活動ならやりたい仕事ができると考えて志望しました。

成長の機会になったという一方で、仕事への不満が見えているため、本心では納得していないことがわかります。「転職をしても不満があればまた転職する」と思われてしまうと、転職活動でマイナスになります。

職場への不満をポジティブに言い換え、前向きな姿勢をアピールしてください。

施設ごとの志望動機の記入例

施設ごとに特色があるため、志望動機もそれぞれに合わせて変えていく必要があります。施設ごとの志望動機の記入例を紹介しますので、履歴書を書く際の参考にしてください。

病院に転職を希望する場合

病院への転職を希望する場合、自分がこれまで何を経験してきており、今後どんなことに力を入れたいのかを志望動機に入れましょう。例文としては、次のような内容を盛り込みます。

私は病院で5年間、採血検査、血液検査、生理機能検査の業務に従事してきました。現在の職場は消化器内科を中心に診療しており、消化器系のエコー検査を得意としています。今後は心エコーもスキルを磨きたいと考えており、循環器を中心に診療している貴院への転職を希望しました。今後は心エコー技術を貴院で磨き、臨床検査技師として活躍したいと思い志望しました。

自分の強みをアピールしつつ、今後はどの分野に力を入れたいかを書くのがおすすめです。目標が明確に書かれていれば、採用担当者も評価がしやすく、書類選考を通過しやすいでしょう。

健診センターに転職を希望する場合

健診センターは、血液検査・心電図・エコー検査で臨床検査技師が活躍します。特にエコー検査は、臨床検査技師でなければ正確な読影は難しいため、高いスキルが求められます。

そのため、次のような志望動機を書くのがおすすめです。

私は病院で多くの症例を体験し、特に予防医学に関心を持っています。貴社は地域住民の健康維持を理念に掲げており、1日に50件前後のエコー検査を行っています。私はエコー検査を年間1,000件以上経験しており、貴社の活動にも貢献できると考えるとともに、予防医学への関心もあったため志望しました。ご採用いただければ、今後はさらなるスキルアップを目指し、質の高い検査を提供していきたいと考えております。

自分にどのようなスキルがあるのか、健診センターでスキルをどう活かしていきたいのか書くことが大事です。また、採用後もスキルアップしていくという意欲をアピールし、仕事に前向きな姿勢を示してください。

臨床検査センターに転職を希望する場合

臨床検査センターは、周辺地域の検体検査が集まる場所で、専門性の高さが特徴です。アピールするポイントは、専門性を高めるために志望すると書くことです。

私は現在、クリニックに勤務しており、検体検査や心電図、エコー検査などを毎日数件行っています。クリニックでの業務に取り組む中で、より専門的な検査技術を身に付け、臨床検査技師としてスキルアップしたいと考えるようになりました。現在の職場では検査の絶対数が少なく、専門的な検査は外部に依頼しているため、検査を専門的に行っている貴社への転職を志望いたしました。

ポイントは、現在の職場で学べることが少なくなり、スキルアップするために志望していることを書く点です。職場に覚えている違和感を転職活動の理由に含め、スキルアップという前向きな理由に変換します。

転職で資格取得やキャリアアップしたい意思も盛り込めれば、より好印象を与えられるでしょう。

医療機器メーカーに転職を希望する場合

医療機器メーカーの臨床検査技師は、新製品の開発や病院での機器の説明などを担当します。そのため、エコー検査や心電図の経験を志望動機に盛り込みつつ、企業の理念に共感している点も織り交ぜるとよいでしょう。

私は現在、病院で生理機能検査室を担当しています。日々エコー検査や心電図、肺機能検査を行う中で、医療機器を開発、販売する貴社の業務に興味を持つようになりました。貴社が定期的に行っている学会での発表、イベントのデモンストレーションも拝見し、機器の進歩に感動しました。貴社で働けば、より多くの医療施設で質の高い検査が実施でき、患者さんの治療の役に立てると感じております。臨床検査技師としての経験を活かし、貴社の製品を販売支援していけるよう努力してまいります。

病院やクリニックで働いている場合、営利企業への転職は分野が変わります。しかし、病院でも医療機器メーカーでも共通する認識は、「患者さんに質の高い医療を提供する」という点です。

志望動機に共通認識を含めつつ、臨床検査技師の経験で企業の利益に貢献できることをアピールしてください。

まとめ:臨床検査技師の志望動機はポイントを押さえつつ、自分の言葉で書く

採用担当者に評価されるポイントと、志望動機を書くときのポイントを解説しました。例文はあくまで例ですから、NG例や良い例も参考にしながら、自分なりの言葉で志望動機を記載してください。

臨床検査技師の経験は、自分だけのものです。志望動機に仕事であったエピソードを少し交えると、志望動機の内容に深みが出ます。

過去の経験、自分の適性や強みを把握し、転職先に好印象を与える志望動機を書いてください。

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