医療技師の転職

診療放射線技師の転職が難しいのは本当?転職の実態と有利な資格

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医療現場を支えるX線検査、CT、MRIなどを行う診療放射線技師は、「転職が難しい」と言われることがあります。転職活動で苦労した方に多い意見ですが、実際には診療放射線技師の転職はどれくらい難しいのでしょうか。

医療系の国家資格である診療放射線技師は、病院やクリニック、民間企業でも多く働いています。今回は診療放射線技師の転職の実態について紹介するとともに、働く場所や転職に有利な資格も解説します。

これから転職活動を進める方、転職活動をしている方は、就職先の選択肢を増やし、理想の条件で働くための参考にしてください。

診療放射線技師の転職の実態

まずは、診療放射線技師の転職と求人の実態について解説します。なぜ診療放射線技師の転職が難しいと言われるのか、その点にも注目して読んでください。

診療放射線技師の転職は簡単とは言えない

結論から述べると、診療放射線技師の転職は特別難しくはありません。ただし、簡単であるとも言えないのが実態です。

ハローワークの統計データによると、令和3年度の全国の有効求人倍率は1.16倍となっており、診療放射線技師1人に対して1件以上の求人があります。しかし、この結果には地域差がかなり大きく、地域次第で転職活動が上手くいかないことも多いです。

例えば、都道府県別で見た時に福岡県は0.37倍、茨城県は0.59倍となっており、診療放射線技師1人に対して求人がほとんどない状態です。一方で、千葉県は1.49倍、新潟県は4.09倍で地域差がかなり大きいことがわかります。

また、関東圏でも求人が1.0倍を下回るところもあるため、転職活動を進めるなら求人の多い地域を選ぶことがポイントになるでしょう。有効求人倍率で見ると、転職自体は難しくないものの、どの地域で働くのかを考慮して転職活動を進めるべきです。

参考:職業情報提供サイト jobtag 診療放射線技師

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/163

地域だけでなく働き方も選ぶべき

転職先は地域を選べば決まりやすいですが、気にすべきは転職後の働き方です。どれだけ求人が多くても、自分に合った職場でなければ転職失敗となり、早期離職に繋がってしまいます。

そのため、転職活動の初期段階で自己分析と適性診断を行い、自分にどのような仕事内容や働き方が合っているかを把握してください。放射線治療を専門に行いたいと思っていても、すべての病院が放射線治療を行っているわけではありません。

自分の専門分野と自己分析・適性診断の結果を参考に、自分に合った働き方のできる職場探しがポイントです。

学習意欲の高い人は転職成功しやすい

診療放射線技師の転職が難しいと言われる一方で、転職を成功させている人が多いことも事実です。では、どういう人が転職を成功させやすいかと言えば、「学習意欲の高い人」になります。

医療職は常に最新の医療知識を必要とする仕事ですから、古い知識だけで仕事をすることはできません。特に検査機器は医療機器メーカーがこぞって最新機器を開発しており、世界標準での機能や検査方法を導入しています。

診療放射線技師は病院内の画像検査を担う大きな部門であり、そこで働く診療放射線技師にも専門的な知識が求められます。また、学習意欲の高い人は、転職後もスキルアップに取り組み、エキスパート資格の取得を目指す方が多いです。

採用担当者としても、意欲が低く成長が見込めない人材より、意欲が高く成長性も高い人材を求めるのは自然な流れです。転職を成功させるには、学習意欲の高さをアピールすることも大事なポイントになるでしょう。

診療放射線技師として働くのに向いている性格・適性

診療放射線技師として働くのに向いている性格や適性とは、どのようなものでしょうか。転職活動をする際のアピールポイントにもなるため、どのような性格・適性が評価されやすいのか確認しましょう。

コミュニケーション能力が高い

放射線技師は医療機器を扱う職種ですが、現場では患者さんと接する機会も多い仕事です。画像の撮影は放射線を放出する機器を使用するだけでなく、強い磁気を発する医療機器もあります。

ちょっとした見落としが原因で、患者さんの命を奪う事故に繋がったケースもあるため、常に患者さんと周囲の環境を観察する力が必要です。また、CTやMRIでは患者さんの顔色を直接確認できないため、常に体調への配慮をしなければなりません。

患者さんが不安や不調を伝えるには、放射線技師の言葉や接し方が重要になります。診療放射線技師は機器の操作だけでなく、人を見て、適切なコミュニケーションを取れることも大事な資質です。

好奇心が強い

診療放射線技師は常に新しいことを学ぶ意欲が必要ですから、そのためには好奇心の強さも大事な適性です。放射線科で扱う医療機器は、X線検査だけでなく、CT、MRI、血管造影検査、マンモグラフィ検査、透視検査など様々です。

1つの検査だけではなく、一通りの検査をこなせるようになるには、多くの時間を学習に費やさなければなりません。診療放射線技師は学ぶことが多いことから、新しいことを知ろうとする好奇心の強い性格の方に向いている仕事です。

コンピュータや機械の操作が得意

医療機器もコンピュータですから、日頃からパソコンや機械を扱い、操作を得意としている人ほど診療放射線技師に高い適性があります。シンプルな操作方法の機器もありますが、専門性の高い検査ほど操作も複雑化するため、機械に強い人ほど有利です。

また、医療技術の進歩に並行して、医療機器も進化していますから、最新の医療機器情報を取り入れることもポイントです。新しいことを知るには、今何が課題にあるのか、改善すべきところはなにかを把握することも必要とされます。

コンピュータや機械の扱いを得意としていれば、最新機器への順応も早くなり、プロフェッショナルとしての職務を遂行できるでしょう。

機械の操作が苦手に感じている方は、苦手を克服し、現場で活躍する診療放射線技師を目指しましょう。

物理に関心がある

診療放射線技師は放射線の知識だけではなく、放射線の理論を理解するために物理学を知る必要があります。物理学の知識は、放射線の基礎知識や運用方法、身を守るための対策などにも関係してきます。

全ての診療放射線技師は物理学を学ぶことが基本ですから、物理に関心のある方は診療放射線技師にも適性があると言えるでしょう。また、診療放射線技師の資格には「医学物理士」という資格もあります。

がんの放射線治療で重要な資格となっており、診療放射線技師と物理学の繋がりが強いとわかる資格の1つです。

地道な作業にも集中力が高い

診療放射線技師の仕事は画像撮影後、読影作業やデータの読み込みといった地道な作業も入ります。撮影した患者さんの画像を一枚ずつ確認し、過去の画像とも照合しながら変化の有無、疑わしい部位などをコメントとして残します。

医師は診療放射線技師のコメントも確認し、患者さんに病状の説明を行うことから、診療において非常に重要な業務です。CTやMRIであれば、一度に数十枚撮影するのが通常であり、その1枚1枚を丁寧にチェックしていきます。

見落としは重大な医療ミスに繋がる危険もあるため、ミスは許されず、集中力と責任感が求められます。診療放射線技師に向いている人は、こうした地道な作業にも集中力を切らさず、最後までやり抜く力を持っている人です。

診療放射線技師が働く場所

診療放射線技師が働く代表的な場所を紹介します。どこで働くかによって専門性や働き方、採用率も変わることから、職場選びの参考にしてください。

大学病院

大学病院は研究機関の側面もあるため、転職するには高い専門性を要求されます。常に募集が出ているとは限らず、採用人数も少ないことから、採用されるには十分な臨床経験と資格を持っていると有利でしょう。

その代わりに、入社後はモダリティに分かれて仕事を行うため、専門性に特化した業務を経験できます。また、機器も最新のものを導入しているところが多く、最先端の医療を学ぶなら最適な環境です。

給与面でも国公立の病院よりも高収入が期待でき、キャリアアップと収入を両立したい方におすすめです。

公立病院

公立病院は国立・県立・市立など色々な病院があり、正社員として採用されると準公務員という扱いになります。給与も公務員と同水準となり、定期的に昇給もあることから、安定した生活を送りたい方におすすめです。

国立病院は大規模病院や拠点病院となっているものもあり、多くの職員を募集するとともに、要求される専門性のレベルも高くなります。県立・市立になれば規模はある程度小さくなりますが、逆に人材の募集も少なくなる点には注意が必要です。

国公立病院は全般的に大学病院に比べて採用率は高いですが、一部で年齢制限が設けられていることもあります。若手で転職活動中の方は、公立病院を狙ってみてはいかがでしょうか。

民間病院

民間病院は系列やグループで人材を採用しており、規模としては中規模程度の病院が多くなっています。民間病院の診療放射線技師の特徴は、モダリティにこだわらず、幅広い分野をこなせるオールラウンダーが多いことです。

働き方の自由度も高く、病院によってフレックスタイム制を導入している病院、副業を許可している病院もあり、色々な働き方を選べます。採用率も比較的高く、採用人数も一定数あることから、診療放射線技師として多くのスキルをレベルアップさせたい方におすすめです。

クリニック

クリニックはほとんどが小規模な医療施設で、入院施設のないところが多いです。その代わりに、夜勤や当直といった夜間業務がなく、定時になると帰宅しやすい点が特徴です。

クリニックには通常2~3名程度の診療放射線技師が在籍し、1人の担当する業務の範囲も広くなります。また、病院とは違い、患者さんへの接遇も重要になるため、採用面ではコミュニケーション能力やマナーも重視されるでしょう。

病院とは違った働き方ができますが、専門性の高い検査はほとんど行われず、MRI検査も経験できる機会は少ないです。MRIは一台で数億円という高額な医療機器であり、どこのクリニックでも設置できるものではありません。

クリニックは働きやすさの面で病院より優れていることが多いですから、専門性と働きやすさを天秤にかけて判断してください。

健診センター

健診センターの仕事は健康診断や人間ドックが主になり、病気の早期発見を目的にしています。行う検査はX線検査の他、PET検査、施設の規模によってはMRIを採用していることもあります。

最新機器を導入していることもあるため、病院などの医療機関に比べて見劣りすることは少ないでしょう。健診センターでは夜間業務はありませんが、検診車に乗って早朝から移動することがあります。

診療放射線技師は1~2名在籍しており、健康診断や人間ドックの利用者を50人以上1人で検査することもある多忙な業務です。マンモグラフィ検査も頻繁に実施することから、女性の診療放射線技師が採用される傾向があります。

医療機器メーカー

臨床経験を活かして民間企業で働くなら、医療機器メーカーという選択もおすすめです。医療機器メーカーでは、最新医療機器の開発、販売・営業、問い合わせへの対応、病院の医療関係者へのレクチャーなど自社製品の売上に貢献することになります。

また、医療機器の展示会があれば、展示会場でのデモンストレーションや顧客への説明もあり、働き方は病院と全く異なります。医療機器の開発のために、大学病院と共同研究を行うこともあるため、医療機関とは違ったやりがいのある職場です。

十分な臨床経験やエキスパート資格が応募条件にされることもある狭き門ですが、収入アップと新たなキャリアの開拓にも繋がるでしょう。

働く場所別の転職で有利になる資格

診療放射線技師には多くのエキスパート資格がありますが、働く場所によって必要とされる資格も違います。働く場所によってどのような資格が求められるのか、転職で有利になる資格を紹介します。

病院で働く場合

病院で働く場合は、大学病院・公立病院・民間病院などそれぞれ求められる働きは変わります。その点を理解したうえで、求められる資格は次のものです。

  • 第一種放射線取扱責任者
  • X線CT認定技師
  • 磁気共鳴(MR)専門技術者
  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
  • 核医学専門技師
  • 放射線治療専門放射線技師
  • 救急撮影認定技師

上記の資格は、どのような病院の放射線科でも即戦力となり、モダリティに分かれても活躍できる資格です。特にキャリアアップを目指すなら第一種放射線取扱責任者、幅広いモダリティで活躍したいならX線CT認定技師や磁気共鳴(MR)専門技術者もおすすめです。

その他の資格も専門領域に特化するものですから、働く場所の選択肢を増やすことができます。

健診センターで働く場合

健診センターの場合は、X線検査やPET-CTが主になることから、次の資格を保有していると有利です。

  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
  • X線CT認定技師
  • 胃がん検診専門技師
  • 医用画像情報専門技師

健診センターでは通常のX線やCT検査の他、マンモグラフィや胃の透視検査も入ることから、特定の検査に関する資格を持つのがおすすめです。また、近年は電子カルテが多くの病院で導入されているため、電子カルテでも画像を見やすくする技術が必要です。

そのため、医用画像情報専門技師の資格を持っていると、早期発見・早期治療に繋げる観点から持っている有利になります。

民間企業で働く場合

民間企業の中でも、医療機器の開発に携わる場合は次の資格を持つと有利です。

  • 医学物理士
  • 医用画像情報専門技師
  • 核医学専門技師
  • 放射線治療専門放射線技師

上記の資格はいずれも最新医療機器の開発で活躍できる資格です。中でも、医学物理士は医学と工学の知識に精通した資格であり、機器を開発する医療機器メーカーと親和性が高いです。

また、がん治療でも医学物理士は必要とされていることから、資格保有者は現代医療において幅広い分野で求められる人材になるでしょう。いずれも資格の難易度は高いですが、取得すれば民間企業でも採用率が高まることが期待できます。

まとめ:診療放射線技師の転職は職場との適性を考えて行うべき

診療放射線技師の有効求人倍率は一定水準にあるものの、転職を成功させるには自分の適性と職場が合っているか判断する必要があります。ミスマッチを防ぐためにも、転職活動を始めたら早期に自己分析も行いましょう。

今回紹介した職場の特徴も参考にして、自分に合った職場はどこかを検討することをおすすめします。理想とする働き方や保有する資格も考慮して、能力を最大限発揮できる職場を選び、診療放射線技師としてのキャリアアップを目指してください。

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