地方にお住いの方の中には、東京への就職・転職に憧れている方も多いことでしょう。
地方から東京に進出するにあたっては、どのようなポイントを重視すべきでしょうか。
- 地方から東京に転職はできる?
- 高卒でも働ける職場はある?
- 学歴関係なく高年収は可能?
- 未経験から正社員で働ける?
このような悩みを抱えている方でも、注意点を理解すれば東京への転職は心配ありません。
憧れだけで転職することはリスクですが、注意すべきポイントを理解し、準備しておけば後悔しない転職を実現できます。
今回は東京への転職で後悔しないためのポイント、転職で東京を選ぶメリットとデメリットについて詳しく解説します。
これから東京での転職を検討している方は、ぜひ本記事を参考に転職活動に励んで下さい。
東京への転職で後悔する理由とは?
東京は地方に住む人からすれば、都会的できらびやかなイメージがあります。
華々しい東京で働いてみたいと考えたものの、いざ転職してみると現実とのギャップに苦しむことも多いです。
それでは、東京に転職して後悔する人にはどのような理由があるのでしょうか。
東京への転職は後悔する人も多い
実際に東京へと転職し、上京したものの思わぬ現実に後悔する人も一定数存在します。
どのような理由で後悔するのか確認してみましょう。
- 仕事が自分に合っていない
- 成果主義・競争社会に疲れる
- 人間関係が希薄
- 公共交通手段が複雑
- 物価が高い
仕事が自分に合っていない
東京への転職で後悔する理由として、「仕事が自分に合っていない」ために仕事が上手くいかないケースがあります。
元々やりたい仕事があり、東京へと移住したのではなく、憧れが強かったために東京で就職した方に多い後悔です。
地方でも東京でも、基本的に週休2日で平日は毎日仕事としている会社が多いです。
初めのうちは慣れない仕事で疲労とストレスが重なりやすく、転職して後悔する方が多い傾向があります。
成果主義・競争社会に疲れる
次に多い理由として、「成果主義・競争社会に疲れる」というものです。
東京では日々多くの人が活動し、企業活動も活発です。
大企業の本社が構えられていることも多く、社内でも仕事の成果が問われ続けます。
地方の企業でも成果を求められることはありますが、競合が多い東京ではより熾烈です。
成果を上げ続けること、他者との競争で優位に立つことを求められ続け、肉体的にも精神的にも疲弊してしまう方が多い点は理解してください。
人間関係が希薄
元々大学で東京に住んでいたわけではなく、転職で東京に移住する場合には人間関係はゼロからのスタートです。
知り合いがいるなら相談相手にもなってくれることもあるでしょうが、そうでなければ人間関係は希薄になりがちです。
地方では知人も多く、人情を感じられる場面でも、東京では見ず知らずの他人を助けてくれる期待はしない方がよいでしょう。
コミュニケーション能力に不安のある方は、人間関係の問題で悩みを抱えやすいので注意が必要です。
公共交通手段が複雑
地方に住んでいると公共交通手段は電車・バスが主で、各町に駅と路線は1カ所のみというのが普通のことです。
しかし、東京では1つの駅に複数路線が混在しており、目的地に到着するためにいくつもの路線を乗り換えることもしばしばです。
スマホで調べられれば良いですが、わからなければ駅員に尋ねるしかありません。
複雑な駅の構造も相まって、地方の出身者にとっては公共交通手段1つでもわからないことが多いでしょう。
また、時間帯によっては満員電車に乗り込むことにもなり、体力的を仕事以外で消耗することがあります。
地方にはない公共交通手段の複雑さは、地方からの転職者にとって最初の壁と言えます。
物価が高い
東京は地方での暮らしに比べると物価が高いことは有名です。
厚生労働省の発表によると令和3年度の地域別最低賃金では、東京都が1,041円で、全国平均は930円でした。
東京は全国平均よりも111円上回っており、それだけ物価が高いことがわかります。
最低賃金が高いということは、生活するためにそれだけお金が掛かるということです。
また、家賃は地方の1.5~2倍程度は必要になります。
東京でワンルームを賃貸する場合、築年数によっても差は出ますが相場は7~8万円です。
都心から離れるほど家賃は抑えられますが、通勤だけで1時間以上必要となることもあり、毎日仕事に通うことを考えると大きな負担です。
物価の高さ、家賃、通勤時間などの条件を考慮せずに移住すると、後悔することになるでしょう。
転職先は先に決定してから移住する
東京には多くの求人が出ており、働く場所を探すだけならすぐに見つかるでしょう。
しかし、重要なことは「自分がやりたい仕事の求人が出ているか」です。
東京への転職を急ぎたい気持ちがあるときこそ、自分のやりたい仕事が見つかるまで慎重に行動してください。
前述の通り、東京は家賃や物価が地方よりも高く、仕事を適当に選んでしまうと生活すら困難になります。
仕事を見つけるためには、東京都の就活イベントやインターンシップを利用して、自分に合った職場を探す情報収集を行ってください。
そして転職先が決定したら、職場に通いやすく暮らしやすい移住先を探すようにしましょう。
地方から東京へ正社員転職するメリット
東京に転職するメリットは次の通りです。
- 性別や学歴を問わない仕事が多い
- 給与が高い
- 交通手段が多い
- プライベートの時間を楽しめる
- 多くの人と出会うことができる
性別や学歴を問わない仕事が多い
東京は地方に比べると学歴、男性女性といった性別を問わず、スキルや経験のある人材には多くの求人があります。
地方では地域差はあるものの、高齢化が進んでいる地域では介護施設の求人が目立ち、資格やスキルを生かせる仕事の求人は少ない傾向があります。
その点、東京なら高卒であっても営業職、工業系などで求人を足していることも少なくありません。
学歴や性別を問わず、色々な仕事を探したいなら東京への転職もおすすめです。
給与が高い
東京は地方に比べると物価は高いですが、その分給与も高い傾向があります。
すべての仕事が高い給与とは限りませんが、最低賃金から考えても給与が高いことは確かです。
キャリアやスキルを磨くことで、給与が上がる機会も与えられるはずです。
とにかく高い給与を求めるなら、東京への転職はメリットとなります。
交通手段が多い
東京では1つの駅に複数の電車路線が混在するだけでなく、駅には多くのバス路線も存在します。
地方の都市に比べて交通手段も、時間毎の便数も豊富で移動手段には困りません。
また、公共交通機関の利用者が多いため、料金も安く設定されています。
なにより、交通手段が発達しているため自動車を所有する必要もありません。
自動車購入と維持費で数百万円を消費するよりも、公共交通機関を利用したほうが安上がりです。
浮いたお金をプライベートに使用することもできるでしょう。
プライベートの時間を楽しめる
仕事のストレスを発散するためには、プライベートの時間も大事です。
東京には娯楽施設も多く、東京ではフェスやイベントも毎週のように開催されています。
プライベートの時間が充実して過ごせる点もメリットです。
ただし、遊びで浪費をしすぎないように注意しましょう。
出会いが多い
東京には令和3年の統計によると、1400万近い人口を誇ります。
実に日本人の10人に1人が東京に住んでいる計算です。
それだけ多くの人が暮らし、日々働いている東京では様々な人と出会う機会に恵まれています。
仕事だけでなく、趣味、レジャー、イベントなど色々な場所で多くの人と交わるチャンスがあり、人との出会いが自分の人生の刺激になります。
人との出会いの中で、これまで気付かなかった自分の才能や新しいことへの興味も見つかることでしょう。
人との出会いを人生の糧に出来る点も、東京へ転職するメリットです。
転職で不安を感じるケース
次に東京への転職を進めたいものの、不安を感じている方のために理由別にケースとポイントを紹介します。
以下の不安についてそれぞれ見ていきましょう。
- 時期やタイミングが難しい
- 未経験・スキルや経験が少ない
時期やタイミングが難しい
2020年初頭から世界的にコロナウィルスが拡大を始め、4月には日本でも緊急事態宣言が発令されました。
それに伴い都道府県外への移動は著しく規制され、感染者の多かった東京への移動も難しくなりました。
このような状況下で、企業の求人数も大幅に減少し、東京への転職を進めている人にとっては厳しい環境が続いています。
東京への転職にあたっては、「今の仕事をいつやめるのか」「コロナが落ち着いてから転職したほうがよいのか」と悩まれている方も多いです。
しかし、悩んでいても状況が変化するとは限らないことは念頭に置いた方がよいでしょう。
コロナウィルスが感染拡大してから2年ほど経過しますが、未だに根本的な治療法や解決策は見つかっていません。
いつまでも転職を先延ばしにしていても、20代ならまだしも、30代・40代と年齢が高くなっては転職の選択肢が少なくなるだけです。
転職は必ず行う必要はないですから、まずは転職先を気軽な気持ちで探してみてください。
探したうえで東京に転職すべきか、地方で働くかを検討するほうが建設的です。
未経験・スキルが少ない
現在働いている職場で得た資格、スキル、経験が少なかったり未経験だと転職にも不安が出てきます。
「自分にどのようなことができるのか」「経験が少ない中で新しい環境に馴染めるのか」といった不安は、転職をためらう大きな要因です。
結論から言うなら、「スキルや経験は転職先で磨いてもよい」です。
初めからなんでもできる人間はいませんから、スキルや経験も大事ですが、それ以上に会社でどんなことに取り組みたいかをアピールしましょう。
転職の書類選考では履歴書のほかにも、職務経歴書というものも提出することが多いです。
職務経歴書はこれまでの職歴と実績、長所・短所を詳しく書くものです。
特別な資格やスキルを持っていなかったとしても、職場でどのようなプロジェクトを担当し、どのような実績を残したかアピールしてみてください。
そのうえで、転職先で自分に何ができるのか、やりたいことをアピールすることです。
出来るだけストーリーを作って、転職先に入りたい理由と繋げることを意識しましょう。
スキルや経験が少ないことを不安視するよりも、新しい職場への挑戦を前向きに考えることが大事です。
30代・40代でも東京で転職できるのか?
前述した通り、年齢が上がるにつれて転職が不利になっていくのは東京での転職にかかわらずあります。
ただ地方で就職するより、仕事を選ぶ選択肢の幅は広がります。
あなたがどれだけ転職先で活躍できるのかアピールしていきましょう。
30代、40代であれば未経験職種であっても今まで経験し得てきた、ポータブルスキル(業種・職種・経歴にとらわれず使える汎用性の高い持ち運びできるスキル)を持っているはずです。
年齢によって、求められるスキルは異なります。キャリアの棚卸しや自己分析をしっかり行ってから転職活動をしましょう。
Withコロナ時代の転職を成功させるポイント
コロナウィルスへの根本的な解決策がない中、これからのWithコロナ時代に転職を成功させるポイントは何でしょうか。
大きなポイントは次の3つです。
- 影響を受けにくい業界に転職する
- リモートワークが可能な職場を選択する
- 自分のスキルや経験を活かせる職場を選ぶ
影響を受けにくい業界に転職する
コロナウィルスによる緊急事態宣言、政府の方針の影響もあって、飲食業や接客業は大打撃を受けています。
その中でも成長している産業といえば、インターネットを活用したSaaSやPaaS、ECサイトなどのネット関連事業です。
インターネットを活用できるこの業界は、多人数との直接的な接触が少なく、インターネットを通して全国の顧客と連動できます。
コロナウィルスの影響を受けにくい業界の代表と言えます。
POINT
他にも地方への移住を前提とした体験型の旅行、IoTを利用した農業などもコロナウィルスの影響を受けにくい業界です。
転職先を探す際は数年以内の業績も確認し、今後も成長していく業界を選ぶのがおすすめです。
リモートワークが可能な職場を選択する
近年はPC、スマホの発達の甲斐もあって、オンライン会議やリモートワークが社会的にも認知されてきました。
これまでオフィスに通勤して行っていた仕事も、在宅や外出先で行うことが一般化しつつあります。
業種によってリモートワークが難しいものがあるのは事実ですが、大手企業だけでなく、中小企業でも取り入れているところは珍しくありません。
今後もリモートワークを利用する流れは続くことが予想され、転職希望者もそのトレンドに対応していく必要があります。
もし特別なスキルを持っていなくても、リモートワークに対応できる能力があれば、それだけ転職先の選択肢は多くなるでしょう。
自分のスキルや経験を活かせる職場を選ぶ
自分の持つ資格やスキル、経験を活かせる職場を選ぶことも重要な成功ポイントです。
Withコロナの時代は人との直接的な接触を減らす観点から、教育に時間のかからない人材を求めている側面もあります。
リモートワークではタイムキープや自己管理能力、言葉の意図を理解する能力も求められます。
スキルや経験があればそれだけ高い能力を持つことが期待され、転職先でも成功しやすくなるはずです。
元々の経験を活かすこともできるため、キャリアアップにも繋がります。
自分のスキル、経験を活かせる職場を積極的に探してみてください。
まとめ:重要なのは自分のやりたい仕事を見つけること
地方から東京への転職は初めての環境での挑戦ですから、色々な不安を抱えていることが予想されます。
「転職は上手くいくのか」「慣れない環境は怖い」「人間関係が不安」など、多くの悩みを抱えることでしょう。
とにかくすぐに転職したい方も、不安が先行して転職を足踏みしている方もいるはずです。
しかし、重要なことは「自分のやりたい仕事を見つけること」です。
やりたい仕事ならば環境や人間関係が多少辛くても、やりがいが苦労を上回ります。
東京への転職を成功させるなら、自分がやりたいことを一番大事にして探してみてください。