看護師の転職

外来看護師の仕事とは?病棟との違いや外来ならではのポイント

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病院で働く看護師には病棟看護師と外来看護師の2種類があります。病棟と外来では看護師の仕事内容は全く異なり、それぞれ求められるスキルや技術も異なります。

今回は外来看護師の仕事にフォーカスし、外来看護師とはどのような仕事なのかを詳しく見ていきましょう。外来看護師と病棟看護師の違い、外来ならではの大変なポイント、病院とクリニックで、外来看護師の業務内容にどのような違いがあるのかも解説します。

これから看護師として働いていくうえで、どちらが自分に合っているのか、将来の選択肢を広げるためにも最後まで読んでみてください。

外来看護師の仕事とは?

外来看護師はどのような仕事をしているのか、どのような役割があるのかを確認しましょう。外来における1日のスケジュールについても紹介します。

外来看護師は各外来の運営者

病院における外来看護師は、各外来の診療科に3人前後配置されます。外来の診療を行うのは医師の役割ですが、実際に患者さんに問診や検査、診察といった案内をするのは看護師です。

外来では多い日には100人以上の患者さんが訪れますから、外来診療時間中にすべての患者さんの診察を終えなければなりません。患者さんはもちろん、医師にとっても外来診療で長く拘束されるのはストレスです。

ですから、看護師は医師の診察がスムーズに進められ、かつ患者さんが不満を感じないように看護師の運営手腕が問われます。大学病院の場合は医師が中心となって外来を運営することもありますが、総合病院では看護師が主体となって運営することになります。

そのため、外来看護師は外来全体を見渡せる視野の広さ、効率的な動線などを意識して働くことが求められるでしょう。

外来をスムーズに進めるのが役割

先ほども解説した通り、外来看護師の役割はスムーズな外来診療を進めることです。外来看護師の役割を種類分けすると、以下の役割に分かれます。

  • 医師の診察介助
  • 患者さんの問診・検査
  • 患者さんへの処置
  • 患者さんへの指導・説明
  • 病棟との連絡・入院調整

看護師の仕事は外来診療がスムーズに進むように運営することです。そのため、患者さんをどのような順番で呼び込むか、時間の掛かりそうな患者さんはいるかなど、瞬時に考えて診療業務をサポートします。

また、患者さんへの問診や検査、処置も外来看護師の役割ですから、一人ひとりへの対応を素早く行うことも重要なポイントです。患者さんと関わる時間は少ないですが、診察の優先度を判断することも看護師の役割となります。

外来看護師の仕事は病棟に比べて状況に応じた判断力を求められ、その時々で求められる役割が変わる仕事といえるでしょう。

パート看護師も多く在籍

外来看護師には正社員看護師だけでなく、パート看護師も多く働いています。外来看護師の仕事は診療時間と診療日が決まっていることから、パート看護師にも働きやすいからです。

外来では配偶者の扶養内に年収を抑えておくため、短時間勤務の方も多いです。外来勤務は週3日のみの勤務や午前中のみの勤務など、短時間でも働きやすいことからパート看護師にも人気があります。

子育て中で長時間の勤務が難しい若手看護師や、病棟復帰前のリハビリとして外来勤務を選ぶケースも多いです。また、病棟勤務に比べると体力を必要とせず、患者さんへの身体介助も少ないことから、ベテラン看護師も多く勤めています。

パート看護師は正社員看護師に比べると、責任のある仕事の割合が少なく、比較的精神的な負担は少ないでしょう。

外来看護師の1日のスケジュール

外来看護師の1日について、基本的なスケジュールを紹介します。

8:00出勤・外来準備
8:30ミーティング・受付開始
9:00診察開始・医師の診療介助・問診・検査・処置の実施
12:00昼休憩・物品の消毒・整理
13:00午後診察開始・医師の診察介助
14:30医師の検査介助・手術説明(外科や整形外科、泌尿器科等)
15:30患者指導・療養相談・入院説明
16:30外来片付け・患者記録・カンファレンス
17:30退勤

外来での業務内容は診療科によっても異なりますが、看護師は問診担当・診察担当・検査及び処置担当に分かれて動きます。問診担当は予約患者さんや当日受付の患者さんの様子を観察し、医師の診察前に体調や必要なポイントをカルテに記載します。

診察担当は診察室に立って医師の説明を補足したり、検査・処置の介助を行ったりするのが仕事です。検査及び処置担当は問診担当が兼任することもありますが、バイタルサイン測定や採血、簡易エコー検査などを行います。

手術のある診療科の場合は特定の曜日に手術説明が入りやすく、看護師は医師の説明をわかりやすく補足しなければなりません。患者さんは初めての手術で話が頭に入らないことも多いですから、資料に手書きして渡すなど、患者さんの対応には多くの時間を割きます。

外来看護師はそれぞれの役割を果たしつつ、診療がスムーズに進むように連携を取って仕事を進めることが大切です。

病棟と外来の違いとは?

病棟看護師と外来看護師、それぞれどのような違いがあるのか確認しましょう。

外来看護師は週休2日制が基本

病棟看護師と外来看護師は勤務のリズムが全く異なります。病棟の場合は夜勤を含めて不定休で、土日や祝日も関係なく日勤・夜勤が入ります。

一方、外来看護師の場合は平日の仕事が基本で、土日祝日は休みです。そのため、ほとんどの病院で外来看護師は週休2日制となっており、一般的な会社員とほぼ同じ働き方です。

ただし、総合病院の中でも拠点病院や基幹病院の場合は、救急外来を外来看護師が担当するケースもあります。その場合、通常の病棟勤務と同じく、日勤と夜勤が交互に入ることから、週休2日制ではないケースもあります。

とはいえ、多くの病院やクリニックでは平日のみの勤務が基本ですから、土日はしっかり休みたい方は外来看護師を選びましょう。

夜勤がないので生活リズムを作りやすい

外来看護師には基本的に夜勤がありません。そのため、毎日8時30分から仕事を開始し、17時30分に仕事終了というルーチンになります。

クリニックであれば土曜日に診療しているところも多いですが、病院では土日祝日が休みです。病棟看護師のように毎日不規則な勤務を繰り返すこともなく、生活リズムを整えやすいという特徴があります。

ただし、平日は基本的に5日連続での日勤業務となるため、後半は肉体的・精神的な疲労が出やすいというデメリットもあります。毎日の生活リズムを整えやすい分、自分なりのリフレッシュ方法で気分転換できるようになれば、長く働き続けられるでしょう。

病棟勤務より肉体労働は少ない

外来を受診する患者さんは、基本的に自立して生活している方が大半です。自立して生活できる方が多いため、トイレ移乗や車いす移乗、体位変換といった肉体労働は少なめです。

検査や処置で必要になるケースはありますが、基本的に肉体労働は病棟看護師よりも少なくなります。病棟看護師の中には移乗や体位変換の繰り返しによって、腰や膝を痛める看護師も多いですから、その点では外来看護師の方が体力的には楽と言えます。

その反面、自立した患者さんが多いため、患者さんに処置や検査を行う機会も少ないです。病棟のように全面的に介助が必要ではない分、看護技術を経験しにくいという点はデメリットでもあります。

夜勤がないため給与は低い

外来看護師はほとんどの病院で夜勤がなく、平日日勤のみの働き方になります。生活リズムを整えやすく、体力的な負担も少ないですが、給与は病棟看護師に比べて安くなります。

日勤のみの勤務では夜勤手当が発生しないことから、基本給のみの給与計算です。一般的には看護師の給与は夜勤手当込みで高収入となるように設定されているため、日勤のみの外来看護師は給与面で不満を感じることもあるでしょう。

また、外来診療は終了時間も決まっているので、残業も少なく、残業手当もあまり期待できません。看護師全体の年収は491万円程度ですから、日勤のみの外来看護師は平均年収よりも下回りやすい点は理解しておいた方がよいでしょう。

ただし、専門資格を取得するか、オンコールのある外来部署で働けば、資格手当や時間拘束手当を支給されることもあります。給与面で不満がある場合は、働き方やキャリアを考えてみるのがおすすめです。

参考:e-Stat 政府統計の窓口 令和2年度賃金構造基本統計調査

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E7%B5%A6%E4%B8%8E%E3%80%80%E8%A8%80%E8%AA%9E%E8%81%B4%E8%A6%9A%E5%A3%AB&layout=dataset&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001152186&tclass2=000001152187&tclass3=000001152191&stat_infid=000032069431&tclass4val=0&metadata=1&data=1

素早くアセスメントする能力が必要

外来を訪れる患者さんとの関わりは、問診や診察を含めて10分以内で終わることがほとんどです。処置や検査、手術説明などがあれば別ですが、ほとんどの患者さんとはじっくり関わる時間はありません。

そのため、外来看護師にはわずかな時間でも患者さんを観察し、状態をアセスメントする能力が必要です。患者さんの顔色や手足の肌色、呼吸の速さと深さ、自宅での様子などを素早くチェックし、外来でできる看護ケアに繋げなければなりません。

また、診察では患者さんは医師に遠慮して言いたいことも言えないケースが多数あります。その場合にも、外来看護師は患者さんの小さな変化も見逃さず、別室で気になる点がないか確認します。

日々の業務に慣れてきたら、アセスメント能力を磨くことも外来看護師の重要な仕事です。

外来ならではの苦労・ストレスになるポイント

次に外来看護師として働くうえで、多くの方が苦労しやすいこと、ストレスに感じるポイントを紹介します。病棟で働くか、外来で働くか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

若い看護師は下に見られる

外来で働く看護師の多くは一定の経験を積んだベテラン看護師で、医師も経験を積んだベテラン、患者さんも高齢者が多いです。そのため、若手の看護師は周囲の看護師や医師、患者さんから低く見られがちです。

また、上司からも色々な仕事を頼まれやすく、周囲の看護師に比べて扱いの差に不公平を感じることもあるでしょう。他にも若手看護師がいれば問題ありませんが、外来にいる若手看護師が自分1人だけという場合は扱いで苦労することも多いです。

患者さんと関わる時間は少ない

外来看護師はスムーズな診療を行うことが役割ですが、裏を返せば患者さん一人ひとりと関わる時間が少ないという難点もあります。患者さんとのコミュニケーションを大事にしたい方や、自分の看護観と合わない方にはストレスになるでしょう。

逆に、業務を滞りなく進め、患者さんが無事に帰宅する様子にやりがいを感じる人であれば、外来看護師にも向いています。患者さんとコミュニケーションを取りつつ、業務を滞りなく進めることが外来看護師の手腕の見せ所でもあります。

しかし、最初のうちは患者さんと関わる時間が少ないことから、「これでいいのだろうか」と迷うこともあるかもしれません。

クレーム対応が多い

外来は病棟に比べてクレームが発生しやすい環境です。理由としては、診察までの待ち時間の長さ、スタッフの接遇、診察時間の短さ、治療内容への不満など、色々な要因が関係しています。

特に大きいのが待ち時間と接遇の問題で、診察待ち時間が2・3時間という外来も珍しくありません。患者さんは「診察だから仕方ない」と諦め半分で待っていますが、何かのきっかけ1つで不満が爆発してしまいます。

そのきっかけはスタッフの接遇や診察時間の短さ、医師への不満などです。外来では患者さんの待ち時間が長いため、病棟よりも看護師の姿が目に付きやすい環境です。

結果として看護師にクレームを言われやすい状況となっており、看護師はクレーム対応をせざるを得ない状況に置かれます。外来看護師として働く以上、クレーム対応も行わなければならず、精神的には大きな負担になるでしょう。

有給休暇を消化しにくい

外来では正社員看護師の配置にもよりますが、状況次第では有休を消化しにくい難点があります。1つの外来にはおよそ3人前後の看護師が配属されますが、全員が正社員とは限りません。

中にはパート看護師を含めて3人ということもあり、正社員看護師の人数がぎりぎりの職場もあります。その場合、有給を使用すると他の外来から看護師を派遣してもらう必要があり、勤務調整が難しいケースも多々あります。

特に冠婚葬祭があると看護師に突然の休日が入ることもあり、予定されていた有休を取得できないケースもあるでしょう。外来看護師として働いていく際には、いつなら有休を取得しやすいのか、考えながら勤務希望を出す必要があります。

スキルアップに繋がりにくい

外来は各診療科に応じて求められる看護技術が異なり、分野が異なると全く触れる機会のない看護技術も多いです。病棟看護師では特殊な専門性を求められるものでない限り、ほとんどの看護技術が経験できることから、スキルアップは大きな課題となります。

そのため、病棟勤務の同期看護師に比べて、外来看護師はスキル面でどうしても劣ってしまうでしょう。自分なりにスキルアップを目指すこともできますが、独学でできることには限界があります。

外来看護師として働くとスキルアップの面で苦労しますから、特に若手の看護師は最初に働く場所をしっかりと考えるべきです。

施設別の外来看護師の特徴

外来看護師には大学病院・総合病院に勤める看護師とクリニックの外来看護師がいます。それぞれ働き方が若干異なりますから、特徴を紹介します。

大学病院・総合病院の外来看護師の特徴

大学病院や総合病院の外来看護師は、複数の診療科を掛け持ちで担当することがあります。例えば、普段は外科で担当していても、人手不足の際には整形外科や皮膚科を担当するケースです。

助産師などの資格を持っていれば別ですが、複数の診療科を持つ病院の場合は複数の診療科をローテーションで担当します。そのため、1つの専門分野に特化することよりも、いくつかの領域をまたいで知識を得ることがポイントです。

また、病院の外来看護師は病院の休診日と勤務日が一致するため、土日祝日は基本的に休日になります。ほぼ暦通りの仕事になるため、ワークライフバランスを大切にしたい方にはおすすめです。

クリニック等の外来看護師の特徴

クリニック等の外来看護師は、クリニックだけで勤務することになります。そのため、専門性に特化することになり、複数の診療科にまたがる知識は必要とされません。

その代わりにクリニックで行う検査や治療に精通する必要があり、深い専門知識が必要です。また、働き方に関しては、多くのクリニックで月曜日から土曜日まで診察日となっています。

ただし、土曜日は午前中のみの診療としているクリニックも多いため、勤務日数が多くてもそれほど負担には感じないでしょう。加えて、眼科の場合は平日に手術が入ることもあり、手術日の仕事量は多くありません。

クリニックは診療科によって外来看護師の仕事に特色が出やすく、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいでしょう。

まとめ:外来看護師はある程度経験を積んでからがおすすめ

外来看護師は平日日勤のみの働きやすい職場ですから、ワークライフバランスを大事にしたい方にもおすすめです。しかし、経験できるスキルには限界があるため、看護師になって初めのうちは病棟で働くほうが無難です。

3年以上の病棟経験があれば、一定の看護技術を習得していると考えられ、外来でも問題なく働けるでしょう。外来では採血や検査を看護師が行うケースも多く、スムーズな診療にはある程度の技術が必要とされます。

そのため、まずは病棟で経験を積み、その後に外来看護師というキャリアプランを計画しましょう。外来看護師で認定看護師・専門看護師の資格を活かして働く看護師もいますから、専門性を活かした働きをするなら外来看護師を目指してみてはいかがでしょうか。

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