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【体験談あり】精神科看護師の仕事と役割は?元看護師が徹底解説!

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看護の世界では精神科と一般科は区別されることが多く、看護師の間でも精神科は通常の診療科とは違った意識があります。

今回は、精神科看護師とはどんな仕事や役割があるのか、どんな人に向いているのかなどを元精神科看護師が詳しく解説します。

精神科ならではの体験談もご紹介しますから、精神科看護師に関心のある方はぜひ参考にしてください。

精神科看護師の仕事とは?

精神科看護師の仕事は、一般の診療科とは様々な面で違います。仕事の中心となる内容について、3つのポイントでご紹介します。

  • コミュニケーションスキルを生かした信頼関係作り
  • 患者様の状態に応じたセルフケア指導
  • 内服薬の管理と与薬

コミュニケーションスキルを生かした信頼関係作り

精神科看護師の仕事で一般科と大きく異なる点は、コミュニケーションスキルが特に重要視されることです。

精神科で治療を受ける患者様は、身体的には健康な方が多く、点滴や採血などの治療をあまり必要としません。

しかし、病状によって精神的な不安定さや危険な行動を繰り返すことがあるため、看護師の関わり方が非常に重要な要素になります。

精神科の患者様は、気に入らないことや信頼できない人に対しては強い拒絶を示します。

そのため、治療を円滑に進めるには看護師との信頼関係が欠かせず、患者様との積極的な交流が必要です。

他の診療科以上にコミュニケーションと信頼関係が重要になるため、ちょっとした言葉遣いや行動にも配慮が必要

患者様の状態に応じたセルフケア指導

入院中の患者様は、退院後に自宅で生活を送る必要があるため、正しいセルフケアを続けてもらわなければなりません。

精神科の患者様に多い傾向として、症状の悪化とともに身の回りのことができなくなり、生活環境や人間関係も悪化することがあります。

元の生活へと戻ってもらうためにも、精神科看護師によるセルフケア指導は重要な仕事の一つです。

患者様の状態にもよりますが、内服薬の適切な管理、整容行動、社会復帰に必要なスキルなどを指導します。

精神科看護師として働くには、患者様の状態や理解度に合わせて指導の計画を立て、長く付き合っていくことが重要

内服薬の管理と与薬

精神科の治療は薬物療法が基本となるため、精神科看護師にとって内服薬管理と与薬は重要な仕事です。

患者様はその日の状態によって行動が変化しやすく、内服薬を正しく飲めないこともあります。

特に向精神薬は容量を間違えると健康を害することもあるため、間違いがあってはいけません。

精神科看護師は患者様の内服薬を適切に管理し、飲み忘れや飲み間違いがないように確認することも大切な仕事です。

また、退院が近くなったら内服薬の自己管理をしてもらう必要もあり、セルフケア指導の一環として患者様自身に内服管理を行ってもらうこともあります。

内服間違いが起こらないように、精神科看護師は常に細心の注意を払いましょう。

職場別の精神科看護師の役割

精神科看護師と一言で表しても、精神科にも色々な職場があります。それぞれの職場別に看護師の役割をご紹介します。

病棟では危険行為をしないように見守る役割もある

病棟の精神科看護師は、信頼関係構築や内服薬管理のほか、患者様が危険行為をしないよう見守る役割もあります。

病棟で考えられる患者様の危険行為としては、自傷や自殺企図などが代表的です。

一見落ち着いて見える患者様であっても、看護師が目を離すと危険行為に及ぶことがあります。

病棟看護師は患者様の治療をサポートするとともに、自傷行為や他害行為を行わないように見守る役割があります。

外来の役割は患者状態を評価して医師の診察をサポート

外来の精神科看護師の役割は、社会で生活する患者様の状態を評価し、医師の診察に向けて必要な情報提供を行うことです。

精神科病棟を退院しても、患者様の治療は続きます。

退院後は自立した生活を送っていくため、患者様はストレスを溜めやすい傾向があります。

ストレスが溜まると患者様の症状も悪化しやすく、ひどくなれば保護のために措置入院になることもあるでしょう。

そのため、外来の看護師は患者様の状態を適切に評価し、必要に応じて医師が内服薬の容量調整や別の治療を行うためのサポートを行う役割があります。

訪問看護の役割はコミュニケーションと変化の早期発見

精神科看護師は患者様への訪問看護も行います。訪問看護師は自宅での生活状況を把握し、コミュニケーションを通して病状変化の早期発見につなげる役割があります。

精神科の訪問看護は一般的な訪問看護とは異なり、処置などを行うことはほとんどありません。

その代わりに患者様やご家族ともコミュニケーションをとり、病状に変化はないか、生活で不安がないかなどを定期的に確認していきます。

患者様の中には、入院生活よりも社会に出てからの不安のほうが強く、看護師が定期的に訪問することで気持ちが安定する方もいます。

そのため、精神科の訪問看護師は変化にいち早く気付き、必要なら医師の診察へつなげる重要な存在です。

精神科デイケアの役割は患者様の社会復帰支援

精神科にはデイケアという社会復帰支援を専門としたリハビリ部門もあります。デイケアでは患者様が日中または夜間のみ通所し、看護師は社会復帰に向けたリハビリを支援します。

デイケアの看護師は患者様とのコミュニケーション、日常生活に必要なスキルの指導、病状に応じて外来と連携して治療に関わるのが主な役割です。

退院後に社会復帰を目指す方を支援しているため、3~6カ月程度の計画を立て、患者様に個別の支援を行います。

患者様に合わせたスキルの指導が必要になるため、看護技術以外にも手工芸やパソコン、料理、ビジネスマナーなど様々なスキルが求められます。

精神科看護師の働く場所5選

精神科看護師が働く代表的な職場を5つご紹介します。

病棟看護師

精神科看護師が最も多く働くのが病棟です。病棟看護師は入院中の患者様の治療をサポートし、回復に向けて精神的・社会的な支援を行います。

精神科病棟には超急性期や急性期の患者様を対象にする閉鎖病棟、回復期や慢性期の患者様を対象にする開放病棟の2種類があります。閉鎖病棟は入退室時の施錠や行動などを細かくチェックしており、開放病棟に比べて検査や処置が多いです。

一方、開放病棟は状態が安定した患者様を対象にしているため、比較的自由度が高く、患者様とのコミュニケーションに多くの時間をかけられます。

どちらの病棟も一人ひとりの患者様の入院期間が長いことから、丁寧にコミュニケーションをとり、関係作りを進めたい方に向いています。

外来看護師

外来の精神科看護師は、退院後の定期受診やメンタルヘルスの不調で受診される方の診察を介助します。問診や採血、検査案内などを行うほか、医師の診察で患者様と家族の理解を支えることも仕事です。

また、精神疾患は認知症との見分けがつきにくいこともあるため、認知症と精神疾患を区別するための問診を行うこともあります。患者様は症状が悪化して受診することも多く、看護師が主体となって入院準備する機会も多いです。

患者様と病院の関係をつなぎとめる役割もあり、治療を円滑に進めるには重要な存在です。

訪問看護

訪問看護は訪問看護ステーションとして独立しているパターンと、外来看護師が訪問看護を兼任しているパターンがあります。精神科の訪問看護と一般の訪問看護の大きな違いは、処置を行うかどうかです。

精神科の訪問看護は処置を行うことが主たる役割ではなく、在宅生活を送る患者様の状況把握と早期受診につなげることが役割になります。内服薬の服用状況や身辺状況の変化、体調の確認、家族との関係性の把握などを訪問時間内に行います。

高いコミュニケーション能力と精神疾患への深い理解が必要で、精神科看護師として一定の経験を積んだ方に向いている職場です。

デイケア看護師

デイケアは精神科病院にあるリハビリ専門の部署です。医師・看護師・作業療法士・臨床心理士などの常駐が必要で、日中の決まった時間に患者様の機能訓練やレクリエーションなどを行います。

デイケア看護師は医療補助を行うほか、患者様の体調確認、コミュニケーション、機能訓練のサポートなども行います。患者様への日常生活指導を行うこともあり、一緒に掃除や洗濯の仕方を学んだり、社会復帰に必要なスキルを指導したりすることも多いです。

医療行為は行いませんが、看護師は患者様に関係する訪問看護や社会福祉協議会、ホームヘルパーなどと連携を取ることもあります。デイケア看護師は外部機関とも連携を図り、患者様を社会全体で支えられる体制作りにつなげる役割もあります。

地域連携課

看護師の数は多くありませんが、地域連携課も精神科看護師の働く場所です。地域連携課は精神保健福祉士や社会福祉士と一緒に働き、地域で過ごす患者様やその家族への社会資源活用をサポートするのが役割です。

認知症の方へのサポートを行う機会も多く、看護師経験に加えて、法制度への理解も求められます。また、必要に応じて患者様が病院受診できるようにサポートする役割もあります。

精神科看護師に向いている人の特徴

精神科看護師に向いている人とはどのような人なのか、5つの特徴をご紹介します。

  • 根気がある
  • 観察力や洞察力が高い
  • 精神的ストレスに強い
  • コミュニケーション能力が高い
  • 誰にでも平等に対応できる

根気がある

患者様と長期的に向き合える根気がある人は、精神科看護師に向いています。

精神科病院は一般科とは違い、患者様一人ひとりの経過が非常に長く、少しずつ症状が悪化していく傾向があります。

入院病棟においても、早ければ3カ月で退院できますが、長い人では40年以上入院を続ける人もいます。

精神という表面に現れにくいものを治療の対象としているため、回復の進み具合も様々です。

患者様の経過が長くなっても、根気よく関わり続け、回復へ向けて手助けできる人は精神科看護師に向いています。

観察力や洞察力が高い

精神科の患者様は目に見える傷口がなく、検査でも状態が把握しにくいことから、精神科看護師の観察力と洞察力が非常に重要なポイントになります。

精神科看護師は患者様の目の動きや話し方、体の動きなどから状態を把握し、その日の状態を把握しなければなりません。

患者様の中には言語化が苦手で、自分のつらい気持ちをうまく伝えられない人も多くいます。

そうした変化にいち早く気付く観察力と洞察力を持つ人は、精神科看護師に向いています。

精神的なストレスに強い

精神的なストレスに強い人は、精神科看護師の適性があります。

精神科の患者様は症状の悪化によって、暴力的な行動や言動が目立ちやすく、心ない言葉を投げられることがあります。

時には自分がコンプレックスに感じている部分を指摘され、思わぬ形で傷つけられることもあるでしょう。

そうした精神的ストレスにも耐えられる人なら、精神科看護師としても働けます。

コミュニケーション能力が高い

精神科看護師にはコミュニケーション能力も必要です。

精神科の患者様の治療は薬物療法が基本となり、看護師の役割はセルフケア指導や医療行為の補助です。

また、毎日決まった時間に点滴をすることも少ないため、患者様とのコミュニケーションが大きな割合を占めます。

コミュニケーション能力がなければ、患者様との信頼関係構築も難しいでしょう。

なによりも、患者様の精神的な安定を保つには、看護師の関わり方が非常に重要です。

患者様から信頼してもらえれば、治療もスムーズに進むため、コミュニケーション能力の高いひとに向いた職場です。

誰にでも平等に対応できる

看護師も人間ですから、仲の良い患者様やお気に入りの患者様がいるのは自然なことです。

しかし、精神科看護師はどの患者様にも平等に対応し、一貫した態度を維持できる人に向いています。

精神科の患者様は看護師の態度を常に観察している方が多く、人によって態度を変える看護師は、患者様からの強い反発を招きやすいからです。

どんな患者様にも笑顔で対応し、感情に振り回されない人は精神科看護師に向いています。

精神科看護師が「心を病みやすい」は本当か?

精神科看護師は精神疾患の患者様と日々付き合っているため、心を病みやすいと思われていることがあります。

結論から言うと、それは正しくもあり、間違ってもいます。

一つの側面では、精神科の患者様から妄想や幻覚の話を聞かされるうちに、自分自身の意識や感覚が変わってしまう人もいることは確かです。

しかし、もう一方では、一般の診療科に比べて業務内容が穏やかで、ストレスが少ない環境で働けるという面もあります。

業務内容が穏やかなため、働く看護師同士の人間関係も落ち着いていることが多く、人間関係で悩まされることは少ないです。

筆者の勤務した精神病院には、一般病院から転職してきた看護師が多数いました。激務と人間関係にストレスを感じたため精神病院に来たという人がほとんどでした。

看護師として精神科の環境に適応できるかどうかによって、結果は大きく変わるでしょう。

精神科看護師で実際にあった体験談

精神科看護師としての筆者体験、実際にあった看護師の体験談の一部をご紹介します。

目を離した隙に危険行動

入院中の患者様は精神状態が悪く、自傷行為や他害行為といった症状が強く現れる方もいます。紹介する体験談も目を離した隙に自傷行為を行い、医師の診察が必要になった事例です。

個室対応の患者様がトイレに行くことを希望され、個室のトイレに入った際のこと。本来は個室に鍵をかけず、看護師がそばに立つのですが、たまたま看護師が呼ばれ、離れた隙にトイレットペーパーを食べて窒息しかけてしまいました。

自傷行為は落ち着いてきていたため看護師も油断しており、わずかな時間で危険行為をした事例です。

幸い命に別状はありませんでしたが、トイレの個室のように看護師の目が届かない場所は、精神科では非常に危険と言えます。

診察で暴れ出してそのまま入院

外来に定期受診に来ていた患者様が、診察に入って暴れ出した事例もあります。

精神科では、医師と家族の同意を得て強制的に入院させる「措置入院」という手段があります。

急速に精神状態が悪化した男性患者様がいました。本人が拒否していましたが、そのまま帰宅させると自傷や他害につながる危険があると医師が判断し、措置入院になりました。その際、患者様が暴れたため、男性看護師が数名呼ばれて押さえ、入院病棟へと搬送しました。

病院で暴れる方だけでなく、街中での破壊行為で警察とともに受診するケースもあるため対応は様々です。

社会復帰後も精神を安定させるためにデイケアへ通所

社会で生活を送る方を支援するデイケアは、仕事に復帰した後も利用される方が多いです。

精神疾患の患者様はストレスへの耐性が低くなりやすく、症状が悪化しやすいためです。

ある患者様は、社会復帰したもののストレスにより症状が悪化してしまいました。気持ちを落ち着かせるためにデイケアに通い、リハビリを行いました。デイケアには同じ目的を持った患者様が集まっているため、仲間意識が芽生え、困ったときの拠り所ができたようで、気持ちを落ち着かせることができました。

実際に筆者が勤務したデイケアでも、社会復帰後に通う人はたくさんいました。

精神病院やデイケアは、患者様が困った時の心の拠り所にもなっていると言えるでしょう。

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まとめ:精神科看護師は患者様との信頼関係が治療を支えている

今回は精神科看護師の仕事と職場別の役割、向いている人の特徴などを解説しました。精神科は一般の診療科とは異なり、傷口の処置や手術などはほとんど行いません。

一方で、一般の診療科よりも患者様との関係が重視され、高いコミュニケーション能力が求められます。また、常に患者様の様子を観察し、わずかな変化にも迅速に気付く注意力も必要です。

精神科の患者様から一度信頼してもらえれば、治療も積極的に取り組んでくれる傾向があります。精神科看護師になる方は、患者様から信頼してもらえるように、誠実で気持ちに寄り添った看護を行いましょう。

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