50代というと、多くの企業で管理職となり転職をするという人もあまり多くはありません。
もっとも会社への不満や人生計画の変更などで、どうしても50代で転職をしたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。しかし50代は20代などの若い世代とは異なり、むやみやたらに転職活動をしても失敗に終わってしまいます。
そこで今回の記事では、50代はどうすれば転職を成功させることができるのかについて解説。
50代の転職活動にこそ必須であるおすすめの転職サイトについても紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね!
50代で転職はできるのか?
そもそも50代で本当に転職はできるのでしょうか?
50代の転職成功率は他の年代と比べると男女共に最も低い
厚生労働省の令和2年度における調査によると、50代の転職率は他の年代と比較してもかなり低い数値となっています。
※参照:令和2年度雇用統計調査結果|厚生労働省
男性女性ともに他の年代と比較すると低い数字となっていますが、特に男性は50代の転職率が他の年代と比較しても4.2%と最も低い数字です。
一転60代となると転職率が大幅に上がっていますが、これは年齢的にも退職者が増えたことが影響している数字でしょう。
そのため日本の50代の転職成功率は、他の年代と比較するともっとも低い可能性があると言わざるを得ません。
なぜ50代の転職は難しいのか?
なぜ他の年代と比較しても50代の転職は難しいのでしょうか?転職が難しくなる具体的な理由としては、次のような例が挙げられます。
- 年齢的に扱いづらい人材と思われる
- 年齢による体力の低下
- 定年に近い世代であるから
- 人件費が若い世代よりも必要だから
こういった理由から、企業の採用担当は50代の転職者を雇い入れることを敬遠しています。
【2022年最新】日本の50代の転職状況
ここでは2022年最新の日本の50代の転職状況について詳しく解説していきます。
50代の人が転職する割合は3%前後
そもそも日本では50代の人はどれくらいの割合で転職をしているのでしょうか。
厚生労働省の「令和2年度労働力調査」によると、50代の転職者比率は約3%前後となっています。
※参照:令和2年度労働力調査|厚生労働省
転職した50代の人の具体的な人数は、過去5年間で以下の通りとなっています。
- 2016年度:51万人(転職者比率3.5%)
- 2017年度:50万人(転職者比率3.4%)
- 2018年度:55万人(転職者比率3.6%)
- 2019年度:57万人(転職者比率3.6%)
- 2020年度:59万人(転職者比率3.7%)
過去5年間の転職者の数は増えつつありますが、これは非正規雇用を含めた数字です。必ずしも正規雇用者として転職を成功した人が増えている、というわけではないので注意してください。
50代の転職成功確率
50代の転職成功確率はどれくらいなのでしょうか。まずは以下のグラフを見てください。
※参照:転職成功者の年齢調査(2019年上半期)|doda
転職活動を支援しているdodaの調査結果によると、これまでの約20年間で日本の転職成功者の平均年齢は少しずつ上昇しています。
そもそも少子高齢化で就業可能年齢が少しずつ引き伸ばされている日本。そのため年を経るごとに転職を希望する人たちの年齢層というのも上がっています。
今後も中高年層の転職希望者というのは増えていくことが予想されるため、転職成功率が高まる可能性もあるでしょう。
少なくとも50代の転職の機会が拡大しているのは事実です。
50代の人の転職活動に必要な期間は半年
一般的な50代の転職活動期間は、半年前後となっています。
また2~3ヶ月程度かかったという人も多いので、半年間を目安に転職活動すると良いでしょう。年齢を問わず転職活動は半年程度かかるのが一般的です。
特に50代は家族や将来のことを考えると、慎重に転職先を探す必要があります。1年近くかかることも考えて余裕を持った転職計画を練りましょう。
50代の転職活動におすすめの転職サイト2選
ここでは実際に50代こそ利用すべき転職活動におすすめのサイトを2つ紹介します。
新型コロナウイルスをきっかけに転職を考える人も増えており、実際に転職サイトへの登録者も増えています。
WEB面接なども利用できるコロナ禍の今こそ、実は転職活動するのには絶好のチャンスなんです。自分の市場価値の確認のためにも、まずは転職サイトを利用してみましょう。
好待遇で転職【 ビズリーチ】
「ビズリーチ」 は、ハイクラス向けを対象とした転職サイトです。
企業の中でも役職に就いている人や役員など、これまで様々な実績を残している人を対象にして求人を紹介しているのが特徴になります。
基本的にハイクラス向けの求人を取り扱っているので、他の転職サイトと比較すると対象年齢も30〜50代と高いです。
そのため50代の人が希望している条件や働き方に合致した求人を取り扱っており、高待遇での転職を成功させることもできます。
求人数も豊富に取り扱っているため、50代で高待遇の転職を狙っているのであればまずはビズリーチに登録しましょう。
50代が転職をする理由
確かに50代の転職は数字で見ても厳しいのが現実です。しかしなぜそれでも転職しようという50代が一定数いるのでしょうか。
50代が転職をする理由について以下で詳しく解説していきます。
会社への不満
50代で転職を検討する人の主な理由として、会社への不満が挙げられます。
やはり年齢的にも社内で昇進を望むことができなくなるタイミングでもあるため、待遇面の改善を求めて転職活動を志す50代の方が多いです。
また50代の親世代は介護が必要になる年代となるため、現在働いている会社の労働環境が整っていないことも転職の主な理由として挙げられます。
人生計画の変更
これまで働いてきた会社で今後も働き続けることに見切りをつけて、新しい人生計画を練り退職を希望する人も多いです。
特に都内から地方へと移住する人など、住む場所を含めた環境の変化を求めて転職を志す人が多いのも50代の転職理由の特徴と言えるでしょう。
前職を辞めさせられた
単純に前職を辞めさせられたという人も50代の転職理由としては多いです。
バブル世代ともいわれる50代は早期退職者を募集するなど、リストラが加速しています。早期退職を断った場合でも、会社からの退職勧奨もあることからこの年代は、あらかじめ次のキャリアを考えておくのが無難でしょう。
50代の転職者に対して採用担当が望んでいること
50代の転職者に対して採用担当が望んでいる事を把握すれば、スムーズに転職することが可能です。そこでここでは、採用担当が実際に50代の転職者に対して望んでいることを紹介していきます。
即戦力かどうか
50代の転職者に対して採用担当が最も望んでいることは、即戦力かどうかという点です。やはりこれまでの経験を活かして、すぐにでも結果を出してくれることを採用担当は50代の転職者に対して求めています。
そのためこれまでとは全く異なる未経験の業種に応募してしまうと、相手にしてもらえない可能性があるので注意してください。
実績や経験があるか
50代の転職者に対しては、実績や経験、豊富な人脈を求めています。
逆に実績や経験などがあまりなく、人脈にも期待できない50代の転職者は厳しい転職活動になる可能性が高いです。
マネジメント経験があるか
これまで企業の役職や責任者についていたという人は、マネジメント経験を評価されて採用してもらえる可能性があります。
特にベンチャーや中小企業などでは、経験豊富でリーダーシップがある人材を求めているところも多いです。
すぐに辞めないか
50代の転職者に対して採用担当が最も心配しているのは、すぐに辞めないかという点です。
そのため転職を成功させるためには、採用担当に対して「この企業に骨を埋める」という意思を表す必要があります。
どうしても50代で転職を成功させたい場合にすべきこと
どうしても50代で転職を成功させたい場合、何をすれば良いのでしょうか。ここでは50代が転職を成功させるためのポイントについて解説していきます。
転職理由を明確にする
50代で転職活動をするのであれば、必ず転職理由は明確にしましょう。
厚生労働省が発表している「令和2年度変色者実態調査の概況」というデータによると、転職者が転職を決心した理由は主に次のとおりとなっています。
転職の理由 | 割合 |
労働条件が良くなかった | 28.2% |
満足のいく仕事内容でなかったから | 26.0% |
賃金が良くなかったから | 23.8% |
契約期間の満了 | 4.9& |
定年 | 3.0% |
※参考:令和2年転職者実態調査の概況 転職の理由から独自作成|厚生労働省)
50代ともなると老後の生活や家族のことなどを考えなければなりません。
あらかじめ転職の理由を明確にして、本当に転職する必要があるのか再度考えてみましょう。
経験のある業種や業務に応募する
50代は一見転職は不利だと思う人も多いですが、これまでの経験や実績を活かして活躍できる可能性が高いとも言えます。
そのため経験のある業種や業務に応募すれば、スムーズに転職活動を進めることが可能です。逆に未経験分野に挑戦するとなると、若い年代と比較されて圧倒的に不利な状況になってしまうので注意してください。
これまでの実績や経験を分かりやすくアピールする
50代が転職活動を行う場合、これまでの実績や経験を分かりやすくアピールしましょう。
若い年代と比較しても実績や経験は比べ物にならない50代。うまくアピールすることができれば、高待遇の転職先を見つけることもできます。
謙虚な気持ちで面接に臨む
50代での転職活動は謙虚な気持ちで面接に臨むことを忘れないようにしましょう。
一般的な50代は企業の中でも管理職や役職に就いている人が多いです。そのためどうしても人を使う立場の人間としての、厳格な態度で人に接してしまうという人も多くいます。
しかし1度会社の外に出れば、50代といえど1人の人間です。新しい会社に行けば、それまでの管理職や役職の肩書きは関係ありません。
まずは謙虚な気持ちで人と接することを忘れずに、面接へと臨みましょう。
選択肢を広げる
50代が転職活動をする場合、他の年代よりもどうしても採用される可能性は低いです。
そこで非正規雇用を含めて、転職活動することをおすすめします。基本的に非正規雇用の雇用率は、50代と他の世代を比較してもあまり格差はありません。
※引用:令和2年度雇用統計調査結果|厚生労働省
どうしても転職したいとお考えの場合、パートを含めて選択肢を広げてみることも必要です。
働きながら転職活動をする
転職活動をするために現在の仕事を辞めてしまうという人もいますが、特に50代は絶対に働きながら転職活動をしましょう。
厚生労働省が発表している「令和2年度転職者実態調査」によると、離職期間なしと答えた人が約26.1%となっています。
※引用:(厚生労働省発表 令和二年度 転職者実態調査より独自作成)
離職期間が1ヶ月未満と答えた人の割合は27.1%となっており、転職経験者の約半分が1ヶ月以上空白期間をあけていないことが分かります。
特に50代の人が離職期間を作ってしまうと、企業の採用担当からは「1度リタイアしたのではないか」と疑念を持たれてしまう可能性があるので注意が必要です。
また50代はまだ家族を養う必要がある人が多いため、離職期間が長くなってしまうと経済的に追い詰められてしまいます。経済的に不自由になると「どこでも良いから転職しよう」という気持ちになってしまいがちです。
まずは経済的な安定性を確保しつつ、うまく時間を活用して転職活動することをおすすめします。
これまでの人脈を利用する
若い年代と50代が違う点は、人脈が豊富にあることです。
これまで働いてきた職場や取引先との人脈を活用できるので、若い年代と比較すると高待遇での転職を狙うこともできます。
転職活動を始めたら、これまでの人脈を活用して人材を必要としている企業がないか聞いてみましょう。
複数の転職サイトを活用する
50代で転職活動を成功させたい場合、複数の転職サイトを活用しましょう。
複数の転職サイトを使うことで得られるメリットとしては、主に次のようなものが挙げられます。
- チェックできる求人数が増える
- 転職サイト限定の求人を紹介してもらえるチャンスがある
- 複数のキャリアコンサルタントから意見をもらえる
1社のみしか転職サイトを利用しない場合、どうしてもそのサイトの求人に可能性が限定されてしまいます。
しかし複数サイトを利用すれば、さまざまな求人を紹介してもらえるチャンスに加えて、複数のキャリアコンサルタントから多角的な意見をもらうことも可能です。
より転職活動の成功する可能性が高まるので、50代こそ複数の転職サイトを利用すべきと言えるでしょう。
50代は転職サイトをうまく活用しよう!
今回紹介してきたように、50代でも転職することができます。
しかし他の年齢層とは異なり、50代に対して企業は経験や実績、人脈を求めているのが一般的です。
そのため50代で転職をする場合、これまでとは全く異なる未経験の業種に挑戦するのは難しいといえます。もっとも経験や実績を活かして、より待遇の良い企業へと転職すること自体は不可能ではありません。
効率よく転職するためには、転職サイトをうまく活用しましょう。
複数の転職サイトを活用することで、様々な種類の求人をチェックすることができるのはもちろんのこと、複数のキャリアコンサルタントから多角的な意見をもらえます。
周囲の意見をうまく取り入れながら、賢く転職活動をするのが50代の転職を成功するポイントです。